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東急建設談合事件東急建設では談合が続発している。黒い噂の陰には東急建設が存在している。東急建設は談合により社会を裏切る立場になっている。幹部が談合を社命のように陣頭指揮する「会社ぐるみ」の体質である。従業員が会社ぐるみのルール違反にブレーキがかけられなかった事実は否定できない。問題が起こる度にクリーンアップすると言っているが、全く機能していない。談合が明らかになっても皆で庇い、傷を舐め合う企業体質である。その結果、業界の評判も落ちて、若い優秀な人材が集まりにくくなっている。「社会の強い批判にもかかわらず、談合事件が後を絶たない。ゼネコンの辞書に「懲りる」という言葉はないのだろうか」(「トンネル談合/徹底捜査で「根絶やし」に」神戸新聞2006年10月6日)。 「ゼネコンやプラントメーカーなど、談合で摘発された企業の再発防止策には必ずと言っていいほど「社内の監査体制の強化」が盛り込まれる。ただ、それらのほとんどが担当部員を増やすなど形だけの対応になっている。それだけでは本当の効果は期待できず、談合を繰り返す企業も多い」(熊野信一郎「監査部隊が会社を救う」日経ビジネス2006年10月9日号165頁)。
東急建設の和歌山談合東急建設和歌山営業所(和歌山市)は和歌山県発注のトンネル工事入札で談合した疑いがもたれている。トンネル工事4件の入札が2004年11月10日に実施され、14共同企業体JV、42社が参加した。大林組、ハザマ、東急建設、奥村組の4ゼネコンが中心となった4JVがそれぞれ落札した。何れも落札額が予定価格の98.6〜96.8%と高率であった。東急建設JVが受注したのは国道168号(仮称・切畑トンネル)道路改築工事である。予定価格は約11億9500万円で、落札率は98.6%であった。この落札率は談合を十分に疑わせる数値である。猪瀬直樹・道路関係四公団民営化推進委員会委員は日本道路公団・内田道雄副総裁に対し、以下のように問い質した(民営化委員会、2005年5月24日)。「平均落札率97パーセントが談合でないとしたら、あなたは責任者として自覚が足りない」(猪瀬直樹『道路の決着』小学館、2006年、15頁)。 入札の数日前、大林組幹部から残りの3JV側に受注業者に内定したことを知らせる連絡があり、3 JV側がこの結果をそれぞれの入札参加業者に知らせて応札額を決めたとされる(「「県幹部が受注先指定」 和歌山談合でゼネコン側供述」朝日新聞2006年10月6日)。トンネル工事4件のうち2件は、事前に談合情報が県に寄せられ、情報通りの業者が落札していた。県は参加業者から事情聴取したが、談合が確認できなかったとして業者と契約した。<
東急建設和歌山営業所、和歌山トンネル工事談合で家宅捜索「国道371号(仮称平瀬トンネル)特殊改良一種工事」の入札はハザマを中心としたJVが落札率98.9%の高率で落札した。入札は公募型指名競争入札方式で行われた。東急建設ら7共同企業体(JV)・約20社が入札に参加した。落札予定価格が約11億7742万円(税抜き)であったのに対し、7つのJVの応札額が、最大でも750万円の差の範囲内に収まっていた(「和歌山県発注トンネル工事 半数以上が談合認める 大阪地検」FujiSankei Business i. 2006年9月22日)。入札に参加したJVの半数以上が大阪地検特捜部の任意の調べに談合容疑を認める供述をした。特捜部は、談合容疑を裏付けるため、それぞれのJVの中心会社である東急建設和歌山営業所、「熊谷組」関西支店(大阪市都島区)、「大本組」和歌山営業所(和歌山市)を競売入札妨害(談合)容疑で家宅捜索した(2006年9月21日)。
東急建設大阪支店副支店長、和歌山談合で在宅起訴大阪地検特捜部は東急建設大阪支店の谷本治副支店長(59)を競売入札妨害罪で在宅起訴した(2006年11月1日)。東急建設は口利きの謝礼として元ゴルフ場経営井山義一容疑者に現金約6000万円を渡した。東急建設担当者は「知事と親しいので金を渡せば受注できると思った」と供述する。和歌山県発注の「国道168号(仮称切畑1号トンネル)道路改築工事」を東急建設中心の共同企業体(JV)が受注後、井山容疑者が「受注額の5%をくれ」と要求した。東急建設担当者は大阪支店内で謝礼として、受注額の約5%に当たる現金約6000万円を2回に分けて直接井山容疑者に手渡した。 井山容疑者は入札前、ハザマ非常勤顧問の丸岡紘一(64)と東急建設大阪支店営業部の谷本治の両被告の依頼を受け、談合仕切り役とされる大林組顧問・日沖九功(ちかのり)被告に両社のJVが受注できるよう要請。日沖被告を通じて水谷容疑者の同意を取り付け、両社のJV受注が実現したとされる。日沖被告は関西一円の土木工事を仕切る談合組織「池田会」を主宰していた。
東急建設株式会社「競売入札妨害容疑による当社従業員の起訴について」2006年11月1日 「和歌山県出納長ら5人起訴=知事知人やゼネコン元顧問も−競売入札妨害で大阪地検」時事通信2006年11月1日 「<和歌山談合>競売入札妨害罪で県出納長ら起訴 大阪地検」毎日新聞2006年11月1日 「<和歌山談合>知事擁立働きかけ…井山容疑者が業界関係者に」毎日新聞2006年11月2日 「「知事親しい」と工作依頼 元経営者に、東急建設」東京新聞2006年11月3日 「「知事親しいので」と工作頼む 和歌山県談合」中国新聞2006年11月4日 東急建設大阪支店・谷本治、和歌山談合の罪状認める和歌山県発注工事を巡る官製談合・汚職事件で、競売入札妨害(談合)罪に問われた東急建設大阪支店・谷本治(59)ら6被告の初公判が2007年3月8日、大阪地裁(西田真基裁判長)であった。東急建設大阪支店副支店長は全ての起訴事実を全面的に認めた。谷本治被告の判決は5月30日に言い渡される。
「水谷前出納長ら罪状認める 和歌山談合事件初公判」朝日新聞2007年3月8日 「和歌山談合事件、元出納長らが罪状認める」読売新聞2007年3月8日 和歌山談合で東急建設・谷本治被告に懲役1年を求刑和歌山県発注工事をめぐる談合、汚職事件で談合罪に問われた東急建設大阪支店・谷本治被告(59)とハザマ元非常勤顧問丸岡紘一被告(65)それぞれの公判が2007年3月26日、大阪地裁(西田真基裁判長)で開かれた。検察側は「組織的、常習的で悪質。多額の税金が浪費された結果は重大だ」としてともに懲役1年を求刑した。公判は結審した(「業者側の2人に懲役1年を求刑 和歌山談合汚職が初の結審」共同通信2007年3月26日)。
和歌山談合で東急建設大阪支店従業員に有罪判決和歌山県発注工事をめぐる談合・汚職事件で、大阪地裁(西田真基裁判長)は2007年5月30日、競売入札妨害(談合)罪に問われた東急建設の元入札担当者らに対し、それぞれ懲役1年執行猶予3年〜懲役10カ月執行猶予3年(いずれも求刑懲役1年)の有罪判決を言い渡した。西田裁判長は「血税を浪費させた責任は軽くない」と述べた。判決を受けたのは、ハザマ元大阪支店副支店長の丸岡紘一(65)と東急建設大阪支店従業員の谷本治(60)、熊谷組元関西支店次長の川山男也(54)の各被告。
「ゼネコン元入札担当者3人に有罪判決 和歌山談合事件」朝日新聞2007年5月30日 「和歌山官製談合、準大手ゼネコン3社担当者も有罪判決」読売新聞2007年5月30日 東急建設、和歌山県出納長了承で逆転受注和歌山県発注のトンネル工事を巡る談合事件で、東急建設は元ゴルフ場経営・井山義一容疑者を通して大林組顧問に東急建設を幹事社とする共同企業体に落札させるよう働きかけた。大林組顧問は当初拒否していた。ところが、井山容疑者から執拗に頼まれた顧問が、県出納長・水谷聡明容疑者に聞いたところ、「それでいいです」と了承を受けた。〈天の一声〉が落札業者を決定付けたという。特捜部の調べに対し、顧問は「すでに水谷容疑者と井山容疑者の間で話がついていると感じた」と供述したという。 東急建設は、この入札以前の5年間で、和歌山県発注の5億円以上のトンネル工事に入札したのはわずか2件。受注実績はゼロだったことが拒否した理由とみられている。ゼネコン関係者は「和歌山県の土木工事で東急建設はなじみが薄く、井山容疑者に頼んで割り込ませてもらったのではないか」と証言している(「和歌山県談合、出納長了承で逆転受注」読売新聞2006年10月14日)。
実績のない東急建設、談合仕切り役との連携で受注和歌山県での土木工事の実績がほとんどない東急建設が国道168号トンネル工事を受注した背景には談合仕切り役との密接な連携がある。大林組顧問の日沖九功被告は、東急建設担当者に、元ゴルフ場経営・井山義一被告を紹介した。東急建設担当者は、大阪地検特捜部の調べに対し、「(井山被告は)県に影響力を持つ人物と認識していた」と供述する。日沖被告は、2004年11月に行われた国道168号トンネル工事の入札約4か月前、東急建設の担当者に、「井山という人がいる。挨拶した方がいい」と話した。東急建設は和歌山県での土木工事の実績がほとんどなかったため、井山被告を紹介し、挨拶に行かせることで、県側の意向を確認しようとしたとみられる(「和歌山談合、大林組顧問が井山被告を東急建設に紹介」読売新聞2006年11月4日)。
東急建設、和歌山県立情報交流センターでも談合東急建設は和歌山県立情報交流センター「ビッグ・ユー」(IT総合センター、田辺市新庄町)建築工事も談合で受注した。入札には9JVが参加し、東急建設を中心とした共同企業体JVが約21億1千万円で落札した。予定価格は約21億7100万円で、予定価格に占める落札額の割合(落札率)は97.2%であった。元ゴルフ場経営会社「大和開発観光」(大阪府河内長野市)社長の井山義一被告は最初に「ビッグ・ユー」の建築工事を大林組が受注するよう同社の談合担当者に持ちかけたが、「希望している東急建設に譲ってあげてほしい」と告げられた。2000年10〜11月頃、東急建設の談合担当者から受注の依頼を受けた。その際、井山被告は東急建設に設計会社を紹介し、設計図面を事前に入手させて受注に協力。その結果、02年5月、東急建設を主とする共同企業体が談合で建築工事を受注した。
東急建設、和歌山談合仲介役に六千万円支払う東急建設は受注の報酬として井山被告に協力料を支払ったとされる。工事の受注契約をスムーズに進めるための地元対策費の名目で支払われたとする報道もある。現金の授受について、東急建設経営企画室広報グループは「現段階で申し上げることはない」とした。その後、東急建設の担当者は「謝礼として、約6000万円を井山容疑者に支払った」と受注工作の依頼を認めた(「和歌山県談合、出納長了承で逆転受注」読売新聞2006年10月14日)。井山義一容疑者は、大阪地検特捜部の調べに、受注した東急建設から支払われたとされる約6000万円のうち現金約3000万円の受領を認めた(「3千万円受領認める 元経営者、談合関与は否定」東奥日報2006年10月17日)。井山容疑者は「貸した金を返してもらっただけだ」と談合への関与を否認する。しかし大阪地検特捜部は、金が受注を働き掛けた東急建設からの謝礼だったとみて使途や差額の3000万円の行方について詳しく追及している。
「「東急建設も2千万円提供」関係者が証言 和歌山談合」朝日新聞2006年10月5日 「ビッグ・ユー設計でも談合 初公判で検察側」紀伊民報2007年3月10日 東急建設ら施工のビッグ・ユーで建設中に地盤沈下東急建設を中心とする共同企業体が建設工事を受注した和歌山県立情報交流センター「ビッグ・ユー」(IT総合センター、田辺市新庄町)は2003年の建設中に地盤沈下した。ビッグ・ユーは2002年8月に着工。03年2月に工事施工業者から地盤沈下の報告がなされた。03年9月議会で県は4億3000万円の補正で追加工事を行った。和解山県談合汚職事件で、同センターの業者選定でも談合疑惑が強まり、県議会の建設委員会(尾崎太郎委員長、7人)は2006年12月議会で、地盤沈下の原因について再調査するよう県に要請した。県議会建設委員会では、設計業務の入札についても業務を受託した業者から事情聴取するように要請していたが、県土整備部は事情聴取をしていないという。尾崎委員長は「県は業者を呼んで事情を聴く義務がある」と話す。
「設計業者の参考人招致を ビッグ・ユー 地盤沈下問題」紀伊民報2007年3月4日 「ビッグ・ユーの地盤沈下 県「業者に過失なし」(和歌山)」紀伊民報2007年5月3日 木村良樹和歌山県知事、東急建設受注に天の声和歌山県知事の木村良樹容疑者は大阪地検特捜部の調べに対し、同県の発注工事全般で違法な受注業者の選定をしていたと供述した。東急建設JVが受注した国道168号(仮称・切畑トンネル)道路改築工事について、受注JVの中核となるゼネコンやJVに組み込まれる地元業者の選定について自ら調整に関与していたことを認めた(「木村知事、工事全般で受注調整 立件検討 和歌山談合」朝日新聞2006年11月30日)。木村良樹容疑者は下水道工事に絡む競売入札妨害(談合)容疑で逮捕され、一転して容疑を認めた。特捜部は、水谷前出納長が「天の声」として、井山元代表を介した木村知事の意向を日沖元顧問に伝え、受注業者が最終的に決められる官製談合システムが構築されていたとみている。
【和歌山談合】木村良樹、東急建設らの受注謝礼金受領和歌山県発注工事の談合事件で、和歌山県前知事・木村良樹容疑者は、東急建設らの受注謝礼金を受領していた。木村は大阪地検特捜部の調べに対し、談合仲介役の元ゴルフ場経営・井山義一容疑者から現金を受け取ったことを認める供述を始めた。井山も入札直後に現金を前知事の木村に渡した旨を供述する。木村が井山義一から受け取ったとされる現金の総額は約1千万円に上る。木村容疑者は「数百万円を受け取った」と供述していたが、その後の調べで、井山が一千万円を水谷聡明に託していたことが判明。木村は水谷聡明を経由して現金一千万円を受領した。 大阪地検特捜部は、木村側が受領した金をゼネコン側から支払われた受注謝礼金の一部と判断する。井山は04年11月10日の入札で、トンネル工事を受注した東急建設とハザマから受注工作の謝礼として計1億1700万円を受領していた。井山がゼネコンから受注謝礼金を受け取った時期と、前知事への金の提供時期が近接しているためである。 大阪地検特捜部は前知事が入札で便宜を図った見返りに現金を受け取ったと判断。前知事が、井山の求めに応じて特定の受注企業を指名する「天の声」を出し、談合への介入を認めた見返りに、井山から現金を受け取っていたとみている。これは東急建設らが受注を獲得するために井山を通して賄賂を贈ったことを意味する。 特捜部は、前知事の親睦団体「翔樹会」が集めた裏金や、前知事が井山から受け取ったブランド腕時計についても賄賂性があるとみており、贈収賄容疑での捜査を続けている。大阪地検特捜部は木村前知事を収賄容疑で、井山元代表を贈賄容疑で再逮捕する。東急建設らの談合事件は知事の汚職事件に発展した。
「前知事、収賄で再逮捕へ 数百万円受領容疑 和歌山談合」朝日新聞2006年12月2日 「木村前知事、現金受領認める供述 再逮捕へ 和歌山談合」朝日新聞2006年12月4日 「和歌山県前知事を週内にも再逮捕、収賄容疑で」日本経済新聞2006年12月4日 「前知事『数百万受領』供述」東京新聞2006年12月4日 「和歌山談合、木村前知事が資金受領認める」読売新聞2006年12月4日 「前和歌山知事、受領額は1千万円 再逮捕、一両日中にも」朝日新聞2006年12月5日 「和歌山前知事ら再逮捕へ 大阪地検、1千万円収賄の疑い」中国新聞2006年12月6日 木村良樹、東急建設談合関与で追起訴和歌山県発注工事の官製談合に絡む汚職事件で、大阪地検特捜部は、前知事の木村良樹被告(54)(再逮捕)について、拘置期限の2006年12月27日、収賄罪に加え、東急建設が受注したトンネル工事を巡る競売入札妨害(談合)罪でも追起訴する方針を固めた。大阪府河内長野市の元ゴルフ場経営・井山義一被告(56)についても贈賄罪で追起訴する。調べでは、木村被告は2000年9月の初当選後、井山被告が県発注工事の受注調整を仕切り、当時審議監だった元県出納長・水谷聡明(さとあき)被告(60)が地元業者を選定する談合システムを構築。水谷被告に「井山被告の意見に従うように」と指示、04年11月入札の国道371号と同168号のトンネル工事で、準大手ゼネコンの「ハザマ」と「東急建設」の各共同企業体(JV)が落札できるよう談合した。
「木村前知事、他の談合2件も関与」読売新聞2006年12月27日 「和歌山前知事、収賄で追起訴 捜査終結」朝日新聞2006年12月27日 「前和歌山知事を収賄で起訴 談合仲介認め1千万受領」東京新聞2006年12月27日
和歌山県出納長、東急建設の落札承認で逮捕和歌山県発注のトンネル工事入札を巡り、大阪地検特捜部は、県庁から出納長の水谷聡明(さとあき)容疑者(60)を任意同行し、競売入札妨害容疑で逮捕した(2006年10月12日)。受注希望を取り次いだ大阪府河内長野市のゴルフ場経営会社元社長、井山義一容疑者(55)も逮捕した。調べでは、水谷容疑者は県発注平瀬・切畑両トンネル(ともに田辺市)工事の入札(2004年11月10日)に際し、関西一円の土木工事で談合を取り仕切っていた大林組顧問(64)から、それぞれハザマと東急建設に受注させると連絡を受け、談合と知りながらこれを承認した疑い。 ハザマ、東急の両社は、木村知事と親密な関係にあり、業者選定に影響力を持つ井山容疑者に受注を希望した。井山容疑者が大林組顧問に希望を伝え、両社を落札予定業者に決定したとみられる。両社は受注に成功した後、それぞれ井山容疑者に落札額の約5%に当たる5900万円と6000万円を謝礼として支払っていた(「<和歌山談合>県出納長ら5人逮捕 「官製」の解明急ぐ」毎日新聞2006年10月12日)。 井山義一容疑者は木村良樹・和歌山県知事の知人である。ゴルフ場経営を通じて同県内に幅広い人脈を築き、県職員や県の要職を歴任したOBらと親交があり、県発注工事に強い影響力を持っていたとされる。 「疑惑の中心にいるゴルフ場経営者は、知事や県幹部とも懇意だったという。知事自身も「友達だ」と友人関係を認めている。そこに問題はなかったのか。公職にある人間として「談合の仕切り役」とも目される人物との関係が取りざたされる事自体、脇が甘すぎはしないか」(「県発注工事の談合疑惑 県も不信感除く努力を」紀伊民報2006年9月27日)。 元県出納長・水谷聡明被告は大阪地検特捜部の調べに対し、東急建設とハザマが受注したトンネル工事について、「知事に受注調整結果を報告、了承された」という趣旨の供述をした(「和歌山知事、トンネル2件も了承…元出納長が調整報告」読売新聞2006年11月16日)。
【和歌山談合】東急建設らに受注させた県出納長に有罪判決和歌山県発注工事をめぐる談合汚職事件で、競売入札妨害(談合)の罪に問われた元県出納長、水谷聡明被告(61)に大阪地裁(西田真基裁判長)は2007年5月30日、懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。水谷被告は、木村被告や元ゴルフ場経営の井山義一被告らと共謀するなどし、平成16年11月入札のトンネル工事2件と下水道工事1件で、それぞれハザマ、東急建設、熊谷組を中心とする共同企業体(JV)が受注できるよう談合した。
「元出納長に猶予付き判決 和歌山談合汚職」産経新聞2007年5月30日 「和歌山県談合事件、前出納長に有罪判決 大阪地裁」朝日新聞2007年5月30日 和歌山談合仲介者、東急建設の謝礼金脱税で再逮捕和歌山県発注のトンネル工事をめぐる談合事件で、大阪地検特捜部はゴルフ場経営会社「大和開発観光」元代表、井山義一容疑者を所得税法違反(脱税)容疑で再逮捕した。井山容疑者は、2004年11月に入札があった2件のトンネル道路改良工事で、工事を受注したJVの中核だったハザマと東急建設から、受注に成功した謝礼としてそれぞれ約5900万円、計1億1800万円を受け取ったのに全く申告せず、4245万円を脱税した疑い。井山容疑者の脱税容疑については、大阪国税局と合同で大和開発観光、井山容疑者宅(大阪府河内長野市)、関連宗教法人「慶福寺」等、計18カ所を捜索している。特捜部は、井山容疑者が受け取った謝礼が県側へ渡った可能性もあるとみており、使途解明のため国税当局と合同捜査に着手したとみられる。
「元出納長を再逮捕、下水道も受注調整の疑い 和歌山談合」朝日新聞2006年11月2日 「和歌山談合 元出納長を再逮捕 井山被告は4200万円脱税」産経新聞2006年11月2日 東急建設らの和歌山談合事件に闇勢力暗躍東急建設らの和歌山談合事件の背景には関西の闇勢力の姿が見え隠れする。和歌山県前知事の木村良樹容疑者への贈賄容疑で再逮捕された大阪府河内長野市のゴルフ場経営会社元社長、井山義一容疑者は大阪地検特捜部の調べに、東急建設らの受注謝礼金の一部を大阪府内の企業グループ側に提供していたと供述した。グループは、00年9月の知事選で井山容疑者を通じて木村前知事の選挙資金を提供したとも言われる。「和歌山で工事しようとしたら、なんやかんやと妨害が入ったりするんやけど、井山さんに受注を頼むと本当に現場でトラブルがなかった。でもゴルフ場経営者にそんな力があるはずない。強力なバックがおるんや」。大阪府内の建設業界関係者はこう語る。その「バック」とされるのがこの企業グループである。暴力団関係者とのつながりも取りざたされ、関係する企業は60社以上に上るとみられているが、全容は明らかになっていない。 グループの中でも、井山容疑者と特に懇意だったのが元暴力団幹部の肩書を持つ大阪府内の建設会社の実質的経営者。井山容疑者のゴルフ場のメンバーで、このゴルフ場が02年に経営難に陥った際は、買収先として名前が挙がったほどだった。 井山容疑者の周辺にはこのグループの影がちらつく。木村前知事が競売入札妨害容疑で逮捕された同県岩出市の下水道工事では、グループ系の土建会社が下請けに入り、落札した熊谷組が代金に5000万円を上乗せして支払っていた。 井山容疑者と一緒に上乗せを要求した建設コンサルタントの男性もまたグループに極めて近い存在である。特捜部は本人の事情聴取を含め、男性の周辺も捜査したが、立件には至らなかった。 木村前知事は大阪府の総務部長や副知事も務めた。グループについては、大阪府の太田房江知事が00年初めから約1年間に、府幹部らとグループ代表宅を訪れるなどして接待を受けていたことが発覚、議会で論議を呼んだ。この問題について、木村前知事は「太田知事の(グループ代表宅での)パーティーがあったでしょ。あれも最初は私が段取りするようになっていたんだが、拒んだから別の人が仕切ったんだ」と話す(「<和歌山談合>「闇の勢力」暗躍 元暴力団幹部経営会社など」毎日新聞2006年12月7日)。
談合で受注の業者、和歌山知事の後援会事務所貸す和歌山県発注のトンネル工事を巡る談合事件で、逮捕容疑となった工事を受注した東急建設と共同企業体を組む地元業者が所有するビルの一室を、木村良樹知事の後援会が、事務所として賃借していた。この地元業者を巡っては、出納長の水谷聡明容疑者が、JVに加えるよう指示していたことが、大阪地検特捜部の調べで明らかになっている。後援会の事務所は、県庁の東約30メートルの和歌山市小松原通にあるビル1階の一部約90平方メートル。ビルの所有者は、同県有田市の建設会社で、知事初当選後の2001年2月、後援会の発足と同時に、駐車場を含め月額20万円で賃借契約を締結した(「談合で受注の業者、和歌山知事の後援会事務所貸す」読売新聞2006年10月16日)。
元和歌山県出納長が電車にはねられ、死亡和歌山県発注の土木工事を巡る談合事件で、業者と県をつなぐ役割を果たしていたゴルフ場経営会社元社長の井山義一容疑者や木村良樹知事と懇意で、地元業者の談合に強い影響力を持っていたとされる中西伸雄・元県出納長が2006年11月8日午後、和歌山市内で南海電鉄の電車にはねられ、搬送先の病院で死亡が確認された。和歌山県警は自殺とみている。中西元出納長は同県の官製談合の仕組みなどに詳しく、大阪地検特捜部が任意で事情聴取していた。県警和歌山北署の調べでは、中西元出納長は8日午後0時20分頃、和歌山市栄谷にある南海本線の踏切(遮断機・警報機付き)で、和歌山市発難波行き普通列車にはねられた。踏切内に1人で立っていたという。電車による自殺を選択したのは、電鉄系の東急建設に対するあてつけだろうか。 中西元出納長は1953年、県職員になり、仮谷志良元知事(故人)の下で、秘書課長や商工労働部長、知事公室長等の要職を歴任。県を退職後、県信用保証協会理事長を経て、2006年10月末まで県内最大手ゼネコンの副社長を務めていた。井山容疑者が実質経営するゴルフ場経営会社の役員にもなっていた。 下水道工事を巡る競売入札妨害容疑で再逮捕された前出納長の水谷聡明容疑者(60)は県職員時代の部下。出納長時代は県総務部長だった木村知事とともに幹部として県政運営に携わったこともある。 20年以上前の県幹部時代から、県職員や土建業者を集めた親睦団体を作り、人事や公共工事に強い影響力を持っていたとされる。2000年には井山容疑者から木村知事の擁立について相談を受け、2004年の選挙戦でも活発な運動を展開した(「<和歌山談合>元県出納長が電車にはねられ死亡、自殺か」毎日新聞2006年11月8日)。
東急建設、和歌山県への損害賠償支払い拒否和歌山県発注工事をめぐる官製談合事件を受け、県が木村良樹前知事ら4人とゼネコン22社に対して9億7050万円の損害賠償を請求した問題で、東急建設は損害賠償の支払いを拒否した。支払いを拒否したのは「IT総合センター建築工事」と「平瀬トンネル工事」についてのもの。「IT総合センター建築工事」は東急建設らのJVが受注した」(請負額12億3774万円)。「平瀬トンネル工事」では東急建設は入札に参加した。一方、東急建設らの共同企業体(JV)が契約した「切畑1号トンネル工事」(請負額25億3474万円)について、請求額の全額にあたる1億2377万円を支払ったという。 県は今後、期限までに支払いが確認されなかった工事については各請求相手に督促状を送付するとともに提訴に向けて議案提出の手続きを進める。また、県は損害賠償請求したゼネコン22業者について、支払いが完了するまで県の工事入札に参加させない方針を固めている。
「2社、県に2億円支払い/談合損害賠償」朝日新聞2008年2月22日 「和歌山談合 賠償請求先2社が納付」産経新聞2008年2月22日 「東急建設、熊谷組が賠償請求に応じる 官製談合事件」紀伊民報2008年2月23日 「和歌山県の賠償請求 4工事は納付なし」産経新聞2008年2月26日 和歌山県、東急建設らを損害賠償で提訴和歌山県発注工事をめぐる官製談合・汚職事件で、県は2008年4月18日、談合に関与した東急建設らに対し、総額約6億1000万円の損害賠償を求める訴えを和歌山地裁に起こす方針を固めた。被告は有罪が確定した木村良樹前知事(56)ら4人と入札に参加したゼネコン13社である。県は2008年2月、6件の工事で官製談合があったとして木村前知事らや22社に総額約9億7000万円の支払いを請求したが、これに応じない3件について提訴に踏み切る。損害賠償の対象は平成14年5月に入札を実施した「IT総合センター」(請負金額25億3474万円)と、16年11月入札の「梨子ノ木トンネル」(同18億600万円)、「上ノ城トンネル」(同17億8447万円)の3工事。請負金額の1割と年5%の遅延損害金の合計を請求額とした。 提訴について、仁坂吉伸知事は「刑事裁判の記録や県の調査によれば、談合は明らかにあったと判断しており、勝訴できると考えている」と述べた。IT総合センター工事を受注した東急建設は産経新聞の取材に対して「当社が損害賠償を請求される理由はない」として争う姿勢を示した(「談合で和歌山県、週明けにも前知事ら4人と13社に約6億円損賠提訴へ」産経新聞2008.4.19)。不誠実な姿勢は東急不動産消費者契約法違反訴訟アルス東陽町301号室事件で敗訴した東急不動産と共通する。
和歌山県、東急建設を1年間指名停止和歌山県は競売入札妨害罪で大阪支店副支店長が大阪地検特捜部に起訴された東急建設を2006年11月3日から1年間の指名停止処分とした(2006年11月2日)。同じく顧問が起訴された大林組を11月2日から1年間の指名停止処分にした(「和歌山県、大林組・東急建設を1年間の指名停止に」読売新聞2006年11月2日)。
三重県、東急建設三重営業所を指名停止三重県は東急建設三重営業所(津市本町、中西敏夫所長)を指名停止とした(三重県「建設工事等に係る指名停止措置」2006年11月9日)。指名停止期間は2006年11月8日から2007年11月7日までの12か月間である。指名停止は三重県建設工事等指名停止措置要領に基づく県土整備部指名審査会似て決定された(2006年11月8日)。指名停止理由は和歌山県が発注したトンネル工事に関し、談合を行っていたとして、東急建設の従業員が、2006年11月1日に大阪地方検察庁に競売入札妨害罪で起訴されたことである。これは三重県建設工事等指名停止措置要領別表第2第3号(競売入札妨害又は談合)に該当する。同号は「公共工事に関し、有資格業者の役員等又は使用人が、競売入札妨害又は談合の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき」と定める。
岐阜県、和歌山談合で東急建設を指名停止岐阜県は和歌山談合で東急建設大阪支店副支店長が競売入札妨害罪で起訴されたことを理由に東急建設を指名停止とした。「岐阜県建設工事請負契約に係る入札参加資格停止等措置要領」別表第2第4号に基づく入札参加資格の停止措置である。指名停止期間は2006年11月17日から2007年5月16日までである(岐阜県「競売入札妨害に係る入札参加資格停止措置について」2006年11月16日)。
国土交通省近畿地方整備局、和歌山談合で東急建設を指名停止国土交通省近畿地方整備局は和歌山談合を理由に東急建設を指名停止にした(2006年11月15日)。指名停止期間は2006年11月15日から2007年1月14日までの2カ月間である(「和歌山談合で大林組と東急建設を指名停止」ケンプラッツ2006年11月20日)。
国交省、和歌山談合で東急建設らに営業停止和歌山県発注工事をめぐる談合汚職事件で、国土交通省は2007年8月24日、従業員らが談合罪に問われ有罪が確定したハザマ、熊谷組、東急建設の3社に対し、9月6日から30日間の営業停止処分とした(「ハザマなど、和歌山談合で営業停止処分・国交省」日本経済新聞2007年8月24日)。建設業法に基づく措置。3社は期間中、和歌山、大阪など近畿地方整備局管内の7府県で、公共の土木工事などに関する営業活動ができない。東急建設大阪支店・谷本治は、前和歌山県知事の木村良樹被告(55)らと共謀し、平成16年11月に入札が実施された県発注工事で談合。2007年5月、大阪地裁で有罪判決を受けた。
「熊谷組、東急建設にも家宅捜索 和歌山トンネル工事談合」朝日新聞2006年9月21日 「半数以上が談合認める=熊谷組など捜索−和歌山談合・大阪地検」時事通信2006年9月21日 「和歌山談合、別の4工事も予定価格に近い落札額」読売新聞2006年9月21日 「ゴルフ場元代表の関係会社も下請けに参入 和歌山談合」朝日新聞2006年10月4日 「談合仲介役の店に出入り ゼネコン関係者が親交」徳島新聞2006年10月4日 「知事側近の幹部ら立件へ 和歌山トンネル談合」産経新聞2006年10月11日 「和歌山トンネル談合、県出納長ら5人逮捕…大阪地検」読売新聞2006年10月12日 東急建設名古屋支店、名古屋市下水道工事談合容疑で捜索東急建設名古屋支店は、名古屋市上下水道局が2005年3月に実施した服部南部準幹線下水道築造工事の入札で談合した疑いが持たれている。入札には名古屋市内に支店を置く「支店業者」を中心に19社が参加。中堅ゼネコン「新井組」(兵庫県西宮市)名古屋支店が3億4500万円で落札し、東急建設は次いで低い二番札であった。当初は、鴻池組名古屋支店が落札する予定だったが新井組に譲ったとされ、鴻池組名古屋支店は同日あった第2次当知雨水幹線下水道築造工事をJV(特別共同企業体)の筆頭として、12億7000万円で落札した。東急建設はこの入札にも参加していた。 名古屋地検特捜部は、東急建設名古屋支店を競売入札妨害(談合)の疑いで捜索した(2006年9月19日)。名古屋支店への捜索は午前10時前に始まり、約20人が支店やホテルが同居する名古屋市中区のビルに入った。
「東急建設支店を捜索=下水道談合で4社目−名古屋地検」時事通信2006年9月19日 「下水道談合の疑いで東急建設を捜索 名古屋地検特捜部」朝日新聞2006年9月19日 名古屋地下鉄談合で東急建設に課徴金1億公正取引委員会は2007年11月14日、東急建設らに対し、独占禁止法違反による排除措置命令を出した。合わせて東急建設には課徴金1億12万円の納付命令が出された。名古屋地下鉄談合を理由とする。東急建設らは名古屋市が発注した地下鉄6号線延伸工事の入札に関し、2005年12月上旬から同中旬までの間に談合を行い受注予定者を決めていた(「名古屋地下鉄談合の33社に公取委が排除措置命令」ケンプラッツ2007/11/15)。
中部地整が東急建設らを指名停止国土交通省中部地方整備局は2007年11月22日、名古屋市が発注した地下鉄工事で談合した東急建設らを指名停止にした。東急建設らは11月12日に公正取引委員会から排除措置命令を受けた。指名停止の範囲は中部地方整備局管内。東急建設の指名停止期間は2007年11月22日から2008年2月21日までの3カ月間である(「名古屋地下鉄談合の27社を中部地整が指名停止に」ケンプラッツ2007/11/26)。
東急建設、防衛施設庁官製談合事件に関与東急建設は防衛施設庁官製談合事件に関係する。防衛施設庁官製談合事件は防衛施設庁が発注した土木・建築工事の入札をめぐる官製談合事件である。米軍岩国飛行場関連工事等で、事前に受注会社や落札価格を決めていた疑いがもたれている。東急建設が関係するのは防衛庁市ヶ谷庁舎(通称、新情報棟)新設建築工事の指名競争入札である。これは防衛施設庁東京防衛施設局が2003年12月25日に施行した入札である。 2003年12月の入札及び2005年3月での随意契約で2つの工事を清水建設・東急建設・松村組共同企業体(JV)が計約百億円で落札した。 清水建設株式会社、清水建設・東急建設・松村組共同企業体(JV)落札の背景には防衛施設庁の職員(当時)との共謀による官製談合が存在した。2003年12月中旬頃に他の建設共同企業体が当該建設共同企業体の入札価格より高い金額で入札する旨の協定が行われていた(国土交通省関東地方整備局「建設業者に対する監督処分について」2006年5月11日3頁)。 談合問題に詳しい松葉謙三弁護士は以下の指摘をする。「これほど高額の工事を随意契約にするのは明らかにおかしい。「情報保全態勢」や「高度な専門技術」を求めると、応募できる企業は大手に限られる。官側で受注企業を決めるために随意契約にしたのではないか。随意契約の理由は国民にとって分かりにくい」(「清水建設 随意契約90億円受注 施設庁発注「情報の保全必要」」西日本新聞2006年2月20日)。
公取委、官製談合で東急建設に立入検査公正取引委員会は防衛施設庁官製談合事件に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、東急建設本店等への立ち入り検査を始めた(2006年5月17日)。他に前田建設工業、戸田建設、フジタ、安藤建設の本店や、西松建設、若築建設の一部支店等にも立ち入る(「公取委、ゼネコン十数社に立ち入り検査 防施設庁談合」朝日新聞2006年05月17日)。公取委は担当者個人だけでなく、組織として談合を繰り返していたとみて、独禁法違反の観点から調査を行う。防衛庁は防衛施設庁の官製談合事件に関与した疑いがある等を理由に東急建設、世紀東急工業ら178社を2006年3月3日から3月31日まで指名停止とした(岡泰子「防衛施設庁発注工事で178社を指名停止」ケンプラッツ2006年3月3日)。
東京都、防衛施設庁談合で東急建設らの契約解除東京都は2007年6月21日、大成建設・東急建設・大豊建設・銭高組・みらい建設工業JVとの間で結んだ411億円(税抜き)の中央環状品川線シールド工事の仮契約を解除した。防衛施設庁発注工事をめぐる官製談合事件で公正取引委員会が6月20日、建設会社60社の独占禁止法違反を認定し、うち56社に排除措置命令を、51社に合計30億5074万円の課徴金納付命令を出したためである。公取委の決定を受け、東京都は都議会に提出していた正式契約の承認を求める議案を撤回した。指名停止要項の「社会的信用失墜」に当たると判断したからだ(「防衛施設庁官製談合で56社に排除命令」ケンプラッツ2007年6月26日)。
香川県、防衛施設庁談合で東急建設らを指名停止香川県は2007年7月3日、防衛施設庁発注工事をめぐる官製談合事件に絡み、公正取引委員会から排除措置命令などを受けた東急建設ら建設会社36社を、同日から11―6カ月間の指名停止処分とした。各社に6カ月間の処分を科した上で、前回の指名停止処分から5年以内の16社に5―1カ月間を加重した(「香川県が36社指名停止 防衛施設庁談合で」四国新聞2007年7月4日)。
国交省、防衛施設庁官製談合で東急建設らを指名停止国土交通省は2007年7月6日、防衛施設庁の発注工事で官製談合による排除措置命令を受けた東急建設らを指名停止とした。指名停止を受けた会社は、公正取引委員会から6月20日に排除措置命令を受けた56社のうちの55社。有資格登録がない大旺建設を除いた全社が対象になった。東急建設は東北地方整備局、関東地方整備局、中部地方整備局、中国地方整備局、九州地方整備局、官庁営繕部、国土技術総合研究所から各々2ヶ月間の指名停止となる。業務に関し独占禁止法第3条又は第8条第1項第1号に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められると判断した(「官庁営繕部所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(昭和59年4月1日付け建設省営管第124号)別表第2第5号)。
東急建設ら防衛施設庁談合で国交省から営業停止東急建設らは国土交通省から土木工事と建築工事の営業のうち、補助金などの交付を受けているものについて、15日間の営業停止処分を受けた。防衛施設庁発注工事をめぐる独占禁止法違反事件について、同社が公正取引委員会から排除措置命令と課徴金納付命令を受けたことに伴う措置(桑子かつ代「大成建:土木・建築工事で15日間営業停止−防衛施設工事で独禁法違反」ブルームバーグ2007年9月25日)。
旧東急建設ら、新潟談合で課徴金納付命令新潟市発注の土木建築工事を巡る官製談合事件で、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いでの排除勧告を応諾するなどした建設会社計20社に対し、総額1億9900万円の課徴金納付命令を出した。20社が落札した工事42件の売上総額54億7726万円の6%(中小企業は3%)を談合による不当利得と認定した(「新潟市・官製談合:建設会社20社に課徴金2億円納付を命令」毎日新聞2005年8月4日)。建設事業を新会社に引き継いだため勧告対象にはならなかったTCプロパティーズ(旧東急建設)も違反行為を行っていた期間の売上に対し、課徴金納付を命じられた(「新潟官製談合、20社に課徴金納付命令・公取委」日本経済新聞2005年8月3日)。課徴金額は2015万円である(「公取委、新潟市談合で20業者に課徴金2億円」読売新聞2005年8月4日)。
新潟談合で旧東急建設に課徴金納付を命ずる審決公正取引委員会はTCプロパティーズ株式会社(旧東急建設株式会社、東京都渋谷区)に課徴金の納付を命令する審決を下した(2006年12月14日)。課徴金額は2015万円。納付期限は2007年2月15日。TCプロパティーズは新潟市が発注する下水道開削工事で談合したとして2005年11月21日から審判を受けていた。2006年8月4日に審判手続きが終結した(「新潟談合でTCプロパティーズに課徴金納付命令」ケンプラッツ2006年12月20日)。TCプロパティーズは新潟市が制限付一般競争入札、公募型指名競争入札又は指名競争入札の方法により発注する推進工法又はシールド工法を用いる下水管きょ工事及び汚水管布設工事(新潟市発注の特定下水道推進工事)について、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、新潟市発注の特定下水道推進工事の取引分野における競争を実質的に制限していた(公正取引委員会「TCプロパティーズ株式会社に対する課徴金の納付を命ずる審決について」2006年12月19日)。
新潟市官製談合事件で東急建設らを営業停止国土交通省は2008年3月24日、新潟市官製談合事件で、公正取引委員会から独占禁止法違反で課徴金納付命令を受けたハザマと東急建設を15日間の営業停止処分にした。期間は4月7日から。
「ゼネコン各社に営業停止処分=名古屋地下鉄などの談合で−国交省」時事通信2008/03/24 「地下鉄工事談合でゼネコン各社に営業停止処分」FujiSankei Business i. 2008/3/25 東急建設、埼玉土曜会事件で談合参加東急建設は埼玉県及び埼玉県内の市町村発注の土木一式工事の入札に関し、談合組織「埼玉土曜会」の一員として、談合に参加した。東急建設は本件についての公正取引委員会審決の受命者になっている(平成4年(勧)第16号、審決集39巻69頁)。
福島談合事件と埼玉土曜会事件の共通点福島談合事件は埼玉県の土曜会事件と同じ構図である(「談合の“天の声”に威を貸した責任」読売新聞2006年9月27日)。共に親族が知事の威を借りて県政への発言力を強め、不明朗な資金を集めていたとして特捜部に逮捕された。知事が辞職を余儀なくされた点も同じである。ゼネコン側に東急建設が存在する点も同じである。
東急建設、中央クラブで談合参加東急建設は近畿地区所在の官公庁発注の土木一式工事の入札に関し、中央クラブという談合組織に加わり、談合を行っていた。東急建設は本件について公正取引委員会から警告を受けている(1998年6月17日)。中央クラブは公正取引委員会が埼玉土曜会事件を摘発したのを契機に、1991年4月に談合組織を解散した。違反行為がなくなってから3年を経過していたため、法的措置は採られなかった。
東急建設、浅川ダム本体工事入札で談合疑惑東急建設は長野県の浅川ダム本体工事入札で談合の疑いがもたれている。浅川ダム本体工事入札は2000年7月27日に実施された。翌28日に信濃毎日新聞、読売新聞が浅川ダムの談合疑惑を報道した。長野県公共工事入札等適正化委員会は以下のように報告する。「浅川入札において、あらかじめ、入札参加者間で談合が行われたものと判断する」(長野県公共工事入札等適正化委員会「浅川ダム入札に係る談合に関する調査報告書」2003年1月31日)。
東急建設、京王線調布駅周辺連続立体交差事業で談合疑惑東急建設は京王線調布駅周辺連続立体交差事業の入札で談合の疑いがもたれている。問題の入札は東京都と京王電鉄(東京都多摩市)が共同で進める京王線調布駅周辺の連続立体交差事業の指名競争入札である。京王電鉄が入札の3年以上も前に、施工業者を内示していたことが、関係者の話で明らかになった(2003年10月7日)。業者選定の公正さを装うために、形式的に入札を実施していたとみられる。この事業は、調布駅を中心に、京王線と同線から分岐する京王相模原線の計3.7キロ間を地下化し、計18か所の踏切を解消する大型工事である。都と京王電鉄が2000年2月、共同で行う基本協定を締結した。総事業費1149億円のうち、都および調布市の負担金と、国の補助金を合わせた公費の割合が43%を占め、極めて公共性が高い。事業の都市計画変更が決定されたのは2002年2月、国土交通省の事業認可は2003年3月だった。 入札業務は都が京王側に委託し、一部工区について、2003年9月29、30の両日実施された。残る工区の入札はその後行われる予定だったが、談合情報が寄せられたため、延期された。 読売新聞が入手した内部資料によると、京王電鉄側は当時、ゼネコン各社に対し「都市計画手続きを進めている段階であり、内示については十分な配慮をお願いしたい」などと要請していた。実際に四工区の入札では、第1工区が東急建設、第2工区が大成建設・京王建設・東亜建設工業のJVが落札するなど、いずれも事前決定通りの結果となっていた(「入札3年前に業者決定…京王電鉄・都の共同事業」読売新聞2003年10月8日)。 東京都の石原慎太郎知事は定例会見で、「もし(事実が)判明したら、きちっとしたペナルティーを科します」と述べ、都として厳正に対処する考えを示した(2003年10月10日)。「限られた業者が(都の)予算がついた事業をあらかじめ引き受けてしまうのは、もたれ合いやなれ合いがある訳で、あってはならないことだ」(「京王線入札問題で「調査後、厳正に処分」…石原知事」読売新聞2003年10月10日)。
東急建設と世紀東急、日本道路公団OBの天下り受け入れ東急建設(株)と世紀東急工業(株)は日本道路公団OBの天下りを受け入れている。判明しているだけでも東急建設は3人、世紀東急工業は5人も受け入れている(猪瀬直樹「ファミリー企業を絞るといくらの利益が出てくるのか」道路関係四公団民営化推進委員会2002年8月6日)。天下りは談合の元凶である。透けて見えてくるのは発注者側の公団現職幹部、公団OB、受注者である建設会社が天下りをテコにして、甘い汁の温存に狂奔する醜悪な構図である。「天下り先を確保したい公団と、高値で受注したい業界が官製談合によって、それぞれ甘い汁を吸っていた」(「またも官製談合なのか」朝日新聞2005年11月18日)。 幹部は退職する職員の受け入れを各メーカーにあっせんする。将来の自分のためでもある。天下りした職員はポストにより二千万円ともいわれる年収を確保する。受け入れたメーカーは見返りに数十億円もの工事を予定価格に近い額で受注する。形を変えた組織的な贈収賄にさえ見える(「公団副総裁の逮捕 私物化の体質を変えよ」中国新聞2005年7月27日)。 業界関係者は「天下りの受け入れと、受注額は比例している」と証言する(「癒着体質の根は深い」沖縄タイムス2005年7月27日)。東京都内の建設会社社長は「受注が期待できなければ、この不景気に1000万円以上の年収を払って天下りを迎えたりしない」と言い切る(足立大「天下り談合根絶へ」読売新聞2005年8月25日)。
談合と天下りゼネコン業界は談合で、不法に価格をつり上げ、税金をかすめ取ってきた。競争原理を導入し談合内の富を外部に吐き出させるようにするのは当然である。しかし腐敗者は湯水のように税金を使い、相変わらず談合や公共工事への甘い指導を繰り返し、せっせと赤字を生産し続けている。談合は公正さ、フェアプレーの精神を冒涜する。談合とは建設会社同士がズルをして、自分達だけ儲かるように、こっそり話し合うことである。建設業者が談合という悪習に結束して甘い汁を吸う限り、公正であるべき競争入札は有名無実化する。「被告側は「共存共栄だ」と言いたいだろうが、競争することで企業が機会を獲得し、磨かれていく」(猪瀬直樹「「常識」の乖離 公判で解明を」朝日新聞2005年12月17日)。 談合で膨れ上がった余分な費用は市民の税金で負担される。談合による損害額は膨大であり、税金が企業に不当利益をもたらしていると思うと怒りが募る。何たる不条理か。法的にも、倫理的にも、国民感情上も許される行為ではない。談合が排除され、競争が広がれば発注者側は工事を安く仕上げられ、公共事業費を削減できる。 民間は失敗即、首切りに繋がるのに、何時から官僚は責任を追及されなくなったのか。巨額な国民の血税を公私に渡って浪費し、何の責任も取らず天下りまでして平気でいられるのは阿呆でなければ生来の犯罪者である。自分達に限りなく都合が良いこの制度を変えない限り、絶対に日本は良くならないのは間違いない。 日経ビジネスのアンケート調査では天下り停止に70.8%が賛成した(「天下り停止に賛成7割超」日経ビジネス2005年8月22日号138頁)。「建設業界が公共事業に依存する構造があり、発注者側の官が持つ膨大な情報を得るために天下りを受け入れる体質が変わらない以上、談合が一掃されるとは思えない」(猪瀬直樹「天下りある以上談合なくならぬ」朝日新聞2005年12月29日)。 「談合が後を絶たない背景には天下りによる官業の癒着と、官製談合防止法の不備がある。ここにメスを入れないことには、談合体質の根絶はおぼつかない」(「官製談合防止 天下り規制と厳罰化で」信濃毎日新聞2006年2月23日)。 「天下りに対して、さらに厳しい規制を設け、癒着の根を断ち切る以外に、納税者たる国民の行政不信、官僚不信を解消する道はない」(「【天下り】出口と入り口をふさげ 」高知新聞2006年2月20日)。
北海道森町で東急建設に談合疑惑北海道森町が発注した公共工事で東急建設に落札させる談合が行われた疑いが強まっている。森町が2005年9月に発注した消防防災センター建設工事の指名競争入札で、町側が東急建設(東京都渋谷区)を含む共同企業体(JV)が落札するよう仕向けた官製談合が行われたとの疑いである。北海道警捜査2課などは2008年4月14日までに、同町の湊美喜夫町長(79)から任意で事情聴取した。同課などは関係者の事情聴取を進めている(「北海道森町長から任意聴取=談合疑惑に絡み−道警」時事通信2008/04/14)。
森町談合で東急建設札幌支店副支店長ら逮捕北海道森町が2005年9月に発注した消防防災センター工事の入札で談合をしたとして、道警は2008年3月16日、競売入札妨害(談合)の疑いで、東急建設札幌支店幹部ら6人を逮捕した。逮捕されたのは東急建設札幌支店の土木部担当部長菅沢利昭(60)、同営業部長桐井秀行(55)、建築部専任部長川本末男(58)、営業部次長中田務(59)の4容疑者らである。調べでは、当時、東急建設札幌支店副支店長だった菅沢容疑者ら6人が共謀し、2005年9月の同センター建設工事の指名競争入札で、東急建設と星組渡辺土建が組むJVが落札できるよう談合した疑い。この工事の予定価格は5億1610万円、落札率は98%。入札には5JVが参加した。
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