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東急建設福島県談合汚職事件

福島県発注の阿武隈川上流流域下水道・県北処理区の競争入札で東急建設は談合した(2004年8月20日実施)。県北部の2市2町の下水を浄化センターで一括処理するために下水道管を約56キロにわたり埋設するもので、各工区に分けて分割発注された。

ゼネコンと地元業者で組む15の共同企業体(JV)が参加した。東急建設は建設会社の佐藤工業株式会社(福島市)と共同企業体(JV)を組み落札した。予定価格約8億6340万円に対し落札価格は8億1690万円で落札した。落札率(予定価格に占める落札額の割合)は94.61%と高かった。高い落札率は談合が行われていたことを裏付ける。

東急建設は入札に参加したゼネコン各社のJVと入札前に談合、東急建設をチャンピオン(落札予定社)に決めた疑いが持たれている。談合は2004年8月中旬頃、東急建設東北支店(仙台市青葉区)に辻政雄容疑者や建設会社各社の営業担当者が集まってなされた(「福島県発注工事、談合容疑で知事支援者ら逮捕・東京地検」日本経済新聞2006年9月5日)。

「同工事の受注業者選定には、佐藤知事の青年会議所活動の後輩で、実弟とも親しい支援者が関与したとされます。関係者は「支援者は知事の名前を使い、県工事の『口利き』をしていた。受注した東急建設とは、特に近い関係にあった」と疑惑を指摘しています」(「水谷建設事件から波及」しんぶん赤旗2006年8月30日)。

東急建設東北支店長、談合仕切り役に謝礼金

福島県発注の下水道工事をめぐる談合疑惑で、工事を受注した東急建設東北支店長が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、談合の仕切り役とされる空調設備管理会社「ツヂメインテナンス・エンヂニアリング」(郡山市)の辻政雄社長(59)に「1000万円以上の謝礼金を渡した」と供述していた(「福島県発注の下水道工事で談合容疑、週明け本格捜査へ」読売新聞2006年9月2日)。

関係者によると、東急建設東北支店長は2006年8月13、14の両日、特捜部の任意聴取を受け、東急建設等の共同企業体が落札した同県発注の流域下水道整備工事について、指名競争入札に参加した15JVが談合したことを認めた。その上で、「談合を仕切っていた会社社長に現金を渡した」と供述したという。

支店長は入札前の談合で東急建設等のJVが「チャンピオン」に決まった後、落札額8億1690万円(税込み)の3%前後の現金を辻政雄社長に前払いしていたとみられる。辻政雄社長は入札に参加している各ゼネコンの営業担当者の訪問を受け、営業の進行度等を考慮してチャンピオンを決めていたという。

同工事については、東急建設以外のゼネコン14社の担当者も特捜部の任意聴取を受けている。大半が談合を認め、この社長が仕切り役として談合に関与していたと供述していることが判明している。

特捜部は、東急建設本社と東北支店から任意提出を受けた会計帳簿など関連資料を分析している。各ゼネコンとJVを組んだ福島県内の建設会社幹部の任意聴取も進めており、社長に渡った金の流れを調べている(「福島発注談合、仕切り役に「現金渡した」 自殺の支店長供述」産経新聞2006年8月23日)。

辻政雄容疑者は朝日新聞のインタビューに対し、東急建設支店長との面識を否定した。「私は東急の支店長には会ったことがない。副支店長は知っている。知り合いに紹介された。東急建設には、かつていやな思いをしたことがあり、印象が大変悪かった。ゼネコンはコネクションが欲しくてアプローチしてくるんだろう」(「談合の闇、捜査核心へ 辻容疑者、福島県政に影響力」朝日新聞2006年9月5日)。

東急建設幹部「リベート2千万円渡した」

福島県発注の下水道工事を巡る談合事件で、工事を受注した東急建設東北支店幹部は、談合容疑で逮捕された空調設備管理会社社長の辻政雄容疑者に約2千万円をリベートとして渡した。東京地検特捜部の調べに対する供述である(「東急建設幹部「リベート2千万円渡した」…福島県談合」読売新聞2006年9月10日)。

東急建設東北支店の幹部は、談合で自社のJVが下水道整備工事を受注できるよう辻容疑者に依頼したことを認めた。「辻容疑者からリベートを払うよう要求され、複数回に分けて計約2000万円を現金で渡した」と供述。リベートは全額現金であった。現金は「交際費」等の名目で、東北支店の経費として支出された。

東急建設、佐藤栄佐久知事実弟に現金渡す

東急建設から佐藤栄佐久前知事実弟の佐藤祐二容疑者への資金提供は、2004年8月の入札前後に3回、計1100万円に上る。このうち2回、800万円分が工事受注の謝礼金だったとされる。残る300万円は、前知事の選挙資金として提供された(「<福島談合>東急建設、計1100万円を前知事の実弟に提供」毎日新聞2006年10月1日)。

現金を持参したのは、談合の謝礼金が東急建設東北支店前支店長で、選挙資金は同元副支店長の門脇進容疑者であった。この際、辻被告は東急側が資金を届けずに懐に入れるのではないかと懸念していたため、祐二容疑者に確認した。辻被告は特捜部の調べに対し「東急が祐二さんに現金を持っていったことは間違いない」と供述している。生前の前支店長と門脇容疑者も、祐二容疑者への資金提供の事実を認めている。

上記以外にも約500万円を支払ったとする報道がある(「東急建設受注希望、辻被告「祐二さんにも」…福島談合」読売新聞2006年9月26日)。また、東急建設は2005年8月に現金約200万円を渡した(「福島談合 前知事弟に200万円渡す 東急建設が受注の1年後」北海道新聞2006年10月1日)。

佐藤祐二容疑者は2005年8月、辻社長から「東急建設の人がそちらに行くので、金を預かってほしい」と連絡を受けた。東急建設東北支店元副支店長の門脇進容疑者が佐藤祐二容疑者を訪問した。元副支店長は、佐藤社長に「よろしく」と言って現金約200万円を手渡した。佐藤社長は現金の一部を私的に使ったが、残りは手元に置き、特捜部の捜索で押収された。この現金について、辻社長は「東急建設による佐藤前知事のパーティー券購入費だった」と供述した(「現金授受の時期ズレ、「謝礼金」否定 福島前知事実弟」朝日新聞2006年10月4日)。

福島県前知事弟、東急建設からの現金を謝礼と認める
福島県が発注した下水道整備工事の談合事件で、佐藤栄佐久・同県前知事の実弟で「郡山三東スーツ」社長の佐藤祐二容疑者は東京地検特捜部の調べに対し、受注調整したことを認めた。

佐藤祐二容疑者は任意の事情聴取当初、事件への関与を全て否認していた。やがて東急建設が落札予定会社になったことを辻社長から聞いたことは認めたものの、受注調整したことは否認した。その後、談合への関与や東急側からの現金提供を認めた。辻社長からの報告を了承するなど、自ら受注調整したことを認める姿勢に転じた。東急建設側から受け取った現金について、「預かっているという認識しかなかったが、軽率だった」と供述した。

さらに特捜部が受注の謝礼ではないかと追及したところ、談合の謝礼金と認識していたことを明かした。当初は「そうなんですかね」と曖昧な態度であった。しかし現在では、謝礼の趣旨を認めている(「福島県前知事弟、受注調整認める 受領のカネは「謝礼」」朝日新聞2006年10月13日)。

佐藤祐二容疑者は複数回受け取ったとも供述している(「東急建設からの現金は受注の謝礼、前知事弟が認める」読売新聞2006年10月4日)。特捜部は他にも現金授受の疑いがあるとみて捜査している模様である(「「謝礼」趣旨も認める  福島県談合で前知事弟」岩手日報2006年10月4日)。

東急建設、佐藤栄佐久前知事の選挙資金を渡す

東急建設は福島県知事選1カ月前の2004年8月、佐藤栄佐久前知事の選挙資金として、実弟の佐藤祐二容疑者に300万円を渡していた。東急建設から祐二容疑者に提供された受注謝礼金のうち800万円が前回知事選に流れたとする報道もある(「福島県汚職 前回知事選で裏金2億円 元秘書が供述」河北新報2006年10月29日)。工事受注先の東急建設が選挙資金を提供することは公共工事受注先からの寄付禁止を定めた公選法に違反する。

東急建設が提供した資金は裏金として帳簿外で処理された疑いがある(「業者から数千万円、すべて裏金処理か 福島談合」朝日新聞2006年10月07日)。選挙の収支報告書に記載されておらず、選挙資金の届け出義務にも違反する。違法な寄付や、報告書に虚偽記載をした場合、3年以下の禁固か50万円以下の罰金が科される。

工事受注の謝礼として実弟が受けたとされる数100万円とは別で、東急側と実弟はともに、東京地検特捜部に授受を認めている。業者側から前知事にあてた資金提供が判明したのは初めてである(「<福島談合>東急建設、実弟に知事選資金300万円」毎日新聞2006年9月30日)。

東急建設の東北支店元副支店長・門脇進容疑者は東京地検特捜部の調べに対し、談合の仕切り役だった会社社長・辻政雄被告から受注調整の見返りに、「知事の選挙資金」名目で現金を要求されたと供述した。東急建設東北支店は受注紹介料等の名目で出金していた(「辻被告、東急建設に「知事選資金」要求…福島談合」読売新聞2006年10月3日)。別の報道では東急建設は現金300万円を「陣中見舞い」名目で辻政雄被告経由で佐藤祐二容疑者に渡したとする(「「陣中見舞い」3百万円 前知事弟へ東急建設工面」秋田魁新報2006年10月6日)。

入札前日の2004年8月19日には知事選が告示され、県政史上初の5選を目指す佐藤前知事と、無所属の新人候補の一騎打ちとなった。投開票は入札から約半月後の9月5日に行われ、前知事が約58万票の大差で圧勝した。

知事実弟の佐藤祐二容疑者は選挙資金集めに関与していたことが既に判明している。佐藤前知事の後援会は当時、県内六地区の選対事務所で選挙運動を展開していた。祐二容疑者は各選対幹部に数百万円ずつ活動費を配布。さらに有力県議や知事の私設秘書らにも裏金の一部を渡したという(「選対幹部に数百万配布」中日新聞2006年10月8日)。

東急建設、談合謝礼金の出金記録を残す
福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件で、工事を受注した東急建設に、佐藤栄佐久前県知事の弟佐藤祐二容疑者らに同社側から提供したとされる資金の出金記録が残されていた。東京地検特捜部は出金記録を押収した模様である。

同社東北支店の元副支店長門脇進容疑者は調べに対し、前知事支援者の辻政雄被告に談合謝礼金として計二千数百万円を提供したと供述した。しかし、出金記録と支出先や金額などが食い違っているとされ、特捜部は確認を急いでいるとみられる。

調べや関係者の話によると、東急建設に残っていた出金記録には、祐二容疑者らの逮捕容疑や辻被告らの起訴事実となった2004年8月実施の阿武隈川上流流域下水道整備工事の入札前後、祐二容疑者や辻被告への支出が記載されていた。しかし門脇容疑者の供述と異なる上、談合謝礼金の受け取りと祐二容疑者への資金提供を認めている辻被告の供述とも一致しないという(「前知事弟への出金記録押収 福島県談合で東京地検」中国新聞2006年9月29日)。

東急建設、談合により逆転受注

東急建設は談合により、内定企業を差し置いて福島市周辺の流域下水道工事を受注した疑いが浮上した。流域下水道工事は当初、業界の受注調整で地元企業二社の共同企業体(JV)に内定していたが、東急建設が逆転受注した。関係者によると、辻容疑者らの逮捕容疑となった工事は、業者間の談合で地元の建設会社「佐藤工業」と別の地元建設会社とのJVが受注する筈であった。

この工事をめぐっては、辻容疑者が受注の謝礼金名目で東急建設東北支店側から一千万円を受け取った疑いが持たれている。辻容疑者が東急建設サイドの働きかけで、受注予定のJVを組み替えたとみられている(「辻容疑者 内定落札業者を変更か」2006年9月6日)。

東京地検特捜部は、談合の仕切り役の辻政雄容疑者が東急建設の意向を受けて組み合わせを変えたとみて、追及している。辻社長らの受注調整では、佐藤栄佐久・福島県知事の実弟(63)が協力していた(「福島県知事の弟、本格聴取へ 談合関与容疑」朝日新聞2006年9月13日)。

東急建設、謝礼金で受注獲得か
佐藤栄佐久前知事の実弟で郡山三東スーツ社長佐藤祐二容疑者は、挨拶を受けた東京都内のゼネコンをいったん「本命」として承認しながら、その後一転して東急建設の落札を最終決定していた。一度承認された本命が変更されることは異例とされ、関係者は「東急建設側から資金提供を受けた前知事支援者が、強引にねじ込んだ結果ではないか」と指摘している。

このゼネコンの東北支店幹部は、2004年8月に行われた県北流域下水道整備工事入札前の同年5月、祐二容疑者に直接挨拶に行き、同工事の落札を依頼したという。ゼネコン側は資金提供はしなかったが、社員を運動員として動員するなど過去の選挙で貢献したことから、祐二容疑者は依頼を了承。県側との窓口役の元土木部長坂本晃一容疑者に、このゼネコンの社名を伝達したとされる。

しかし6月になり、祐二容疑者からゼネコン側に、「引き受けられなくなった」とする連絡があった。意向が変更された理由について、説明はなかったという。同工事は最終的に、東急建設などの共同企業体が落札した。建設業関係者は「祐二社長と辻社長の調整がバッティングした結果、最終的には現金がものをいった」と指摘している(「福島県談合 祐二容疑者が本命変更 東急建設の資金影響?」河北新報2006年10月5日)。

東急建設支店長、談合を認めた後に自殺

準大手ゼネコン「東急建設」(東京都渋谷区)の河野茂典・東北支店長(58)が東京地検特捜部の事情聴取で談合を認めた後、自殺した。東京地検特捜部は福島県発注の下水道工事について談合の疑いがあるとみている。この談合疑惑には佐藤栄佐久・同県知事の周辺者も関与しているとみられる。東京地検特捜部は水谷建設(三重県桑名市)の脱税事件についても参考人として東北支店長を事情聴取していた。

2006年8月15日正午頃、東北支店長は東京都中央区内のホテル12階から飛び降りた。ホテルに隣接する公園の植え込みに倒れているところを通行人に発見された。ズボンにワイシャツ姿で、ホテルの部屋には財布やバッグ、メモ書き等があった。一人で宿泊していたという。

東急建設東北支店は仙台市青葉区にある。河野茂典支店長は土木技術員で、2002年に九州支店土木部長から東北支店長に就任した。2006年6月27日付で執行役員を兼務した(東急建設株式会社「平成18年3月期決算短信 (連結)」2006年5月12日)。同社広報担当は「誠実かつ優秀な社員で誠に遺憾。捜査に関しては内容が分からない」と話している(「特捜部の聴取後に都内ホテルから飛び降り」日刊スポーツ2006年8月18日)。

特捜部は2006年8月に入ってから東急建設東北支店長から複数回にわたって任意聴取し、支店長は談合を認めたという。東京地検の岩村修二次席検事は8月17日に東北支店長が事情聴取を受けていたことを認めた。しかし事情聴取の経緯や適否、自殺までの経過については説明していない(「東急建設支店長が自殺」福島民友新聞2006年8月18日)。

毎度のことながら、本当に自殺なのか疑わしい。事件の全貌はライブドア野口英昭怪死事件と同様、闇から闇へ葬られてしまうのだろうか。元々、政界と業界の重要なパイプは前田建設工業ではなく、東急建設という見解もあった。東急建設支店長は東急グループのホテル(エクセルホテル東急、東急イン)に泊まっていたのだろうか。それが一番危険という説もあるが。

仮に自殺としても東急建設東北支店長にとって自殺することは悪である。全てを明らかにすべきであった。経営責任を明確にすべきであった。死ぬほど愛している会社ならば、過去を直視して欲しかった。悪徳業者で出世して道を誤った典型である。

「県発注の工事で今回のような談合が摘発され、すでに地検の事情聴取を受けたゼネコンの東北支店長がビルから飛び降り自殺を遂げるというような不測の事態に強い憤りを覚える」(渡辺智衛「許せない県工事の談合事件」福島民報2006年9月6日)。

東急建設の素っ気無いコメント

東北支店長自殺に対する東急建設のコメントは素っ気無いものであった。「本日、一部報道機関におきまして、弊社東北支店長に係る報道がありました。弊社といたしましては痛恨の極みであり、甚だ遺憾に存じます。」(東急建設株式会社「本日の一部報道について」2006年8月18日)。

誰に対し、何に対し、遺憾であるのか読み取ることができない。東急建設は「一部で報道された「談合」に関する事実は確認されておりません」と主張する。しかし何もしておらず、何も知らない人が自殺する筈がない。その後、東北支店元副支店長が逮捕された。東急建設の嘘八百が証明された。

東急建設東北支店長の氏名

自殺した東急建設東北支店長の氏名についてメディアでは報道するものと報道しないものに分かれた。河野茂典支店長の名前を報道したメディアとしては以下が確認されている。

「東急建設支店長 聴取後に自殺」中京テレビ「ニュースプラス1」2006年8月18日
「東急建設支店長が任意の事情聴取後に自殺」日本テレビ「NEWS24」2006年8月18日

談合を認めた東急建設支店長に建設業界猛反発

自殺した東急建設の河野茂典・東北支店長は自社が落札した福島県発注の下水道工事について談合を認めたことで入札参加ゼネコンから責められていた。関係者の話で判明した(2006年8月18日)。談合を認めた業者への業界内の反発は強く、支店長は追い込まれていったという。

関係者によると、支店長は東京地検特捜部の聴取で、2004年の阿武隈川上流流域下水道・県北処理区の入札で談合があったことを供述した(2006年8月)。その後、特捜部の聴取が他のゼネコン各社や福島県内の建設会社の担当者へと進むうちに、支店長が談合を認めたことが業界内に広まった。

業界関係者の一人は「談合を漏らすことは業界で最大のタブー。まして落札業者が漏らしたことへの反発は強く、支店長だけではなく東急建設の立場も厳しくなっていた」と話す(「水谷建設事件 談合供述に業界反発 東急建設支店長自殺」河北新報2006年8月19日)。

実際、談合仕切り役の辻政雄容疑者が入札に参加した建設会社の営業担当者に「談合していたことを取り調べで話すな」と圧力をかけていた(「福島談合、知事支援者「取り調べで話すな」」日本経済新聞2006年9月6日)。辻容疑者は特に、東急建設の担当者に強く口止めを迫ったという(「<福島談合事件>「仕切り役」が入札参加業者に口止め工作」毎日新聞2006年9月7日)。

「政官業を揺さぶる一大疑獄に発展しそうな水谷建設の巨額脱税事件。その最初の“犠牲者”がついに出た。東京地検の事情聴取を受けた中堅ゼネコン「東急建設」の東北支店長が飛び降り自殺を図ったことが発覚した。彼が命をかけてまで守りたかったものは、何だったのか?」(「東急建設支店長 自殺の真相」ゲンダイネット2006年8月18日)。

「談合認めたゼネコン支店長が自殺 水谷建設事件に絡み」産経新聞2006年8月18日
「東急建設支店長が自殺  水谷建設事件」岩手日報2006年8月18日
「東急建設支店長、聴取後に自殺か 水谷建設脱税事件」朝日新聞2006年8月18日
「水谷建設脱税事件、東急建設支店長が聴取後に自殺」読売新聞2006年8月18日
「<水谷建設脱税>東急建設支店長が聴取後に自殺」毎日新聞2006年8月18日
「東急建設支店長が自殺、水谷建設脱税巡り聴取」日本経済新聞2006年8月18日

東急建設東北支店前副支店長ら競売入札妨害容疑で逮捕

福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は東急建設東北支店の前副支店長・門脇進容疑者らを逮捕した(2006年9月25日)。他に佐藤栄佐久知事の実弟で紳士服メーカー「郡山三東スーツ」社長佐藤祐二容疑者(63)、元県土木部長で前県建設技術センター理事長の坂本晃一容疑者(65)も逮捕した。

門脇進容疑者(63)は島根県出身。攻玉社短大(東京都品川区、現・東攻玉社工科短大)を卒業後、1968年に東急建設に入社した。東北支店では土木部長や副支店長を歴任し、2003年3月に退社。その後は同支店契約の嘱託職員だった。かつての同僚は「『会社のためなら何でもする』というタイプ」と評した(「<福島談合事件>実弟、県庁人事に介入…揺らぐ知事の足元」毎日新聞2006年9月26日)。

東急建設の虚しい謝罪文

東急建設は東北支店元副支店長逮捕について無意味な謝罪文を発表した。「今後は、司法手続きの速やかな進行に協力するとともに、全社をあげて法令遵守の徹底に取り組み、信頼回復に努めてまいりたいと存じます」(東急建設株式会社「競売入札妨害容疑による当社従業員の逮捕について」2006年9月25日)。元々信頼のない東急建設が者が「信頼回復」とは笑止千万限りない。「今まで通り、分からない様にやりくりします」とでも正直に言った方が分かり易いのではなかろうか。

コメントでは従業員が逮捕されたことを問題にするが、談合の行為自体を問題にすることが筋である。「お客様、株主の皆様、関係の皆様には、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と言うが、処分を下した当局に頭を下げているんじゃないかと勘ぐりたくなる。

東急建設元副支店長を競売入札妨害で起訴

福島県発注の下水道工事談合事件で、東京地検特捜部は東急建設東北支店の元副支店長・門脇進容疑者(63)を競売入札妨害(談合)の罪で東京地裁に起訴した(2006年10月15日)。合わせて佐藤栄佐久前知事の実弟で、紳士服縫製販売会社「郡山三東スーツ」前社長・佐藤祐二容疑者(63)も同罪で起訴した(「木戸ダム建設でも利益提供の疑惑…前知事の実弟ら起訴」読売新聞2006年10月16日)。

門脇容疑者の起訴を受け、東急建設は山田豊彦社長が役員報酬30%を三か月間、専務二人(本村正二郎、飯名隆夫)が同30%を一か月間返上する処分を明らかにした(東急建設株式会社「競売入札妨害に関する再発防止と社内処分について」2006年10月15日)。

「これまでに大阪、名古屋など地域を管轄する当社支店においても、談合疑惑に関連して関係当局の捜査を受けるなど、お客様、株主の皆様、関係者の皆様方には多大なご迷惑とご心配をおかけしており、誠に申し訳なく重ねてお詫び申し上げます」「この度の事件による当社経営数値への影響については現在、慎重に検証中であります」。

東急建設元副支店長、起訴事実認める

福島県談合事件(福島県汚職事件)で、競売入札妨害罪に問われた東急建設東北支店元副支店長・門脇進被告(63)の初公判が東京地裁(毛利晴光裁判長)で開かれた(2006年12月11日)。門脇被告は起訴事実を全面的に認めた。冒頭陳述で検察側は、収賄罪で起訴された前知事の佐藤栄佐久被告の実弟、祐二被告らに門脇被告が工事受注の謝礼として現金計1000万円をを渡した状況を詳述した。

検察側の冒頭陳述によると、門脇被告は2002年頃、知人に200万円を支払って辻被告の紹介を受けた。04年1〜2月ごろ、辻被告の示唆を受け、元県土木部長で当時の県建設技術センター理事長(65)と会い、工事の詳細な情報を教えられた。門脇被告は同年6月25日、福島県郡山市のホテルで、辻被告に「流域下水道工事を受注できるよう、よろしくお願いします」と言って500万円を支払い、辻被告はこの全額を佐藤祐二被告に渡した。 門脇進被告は祐二被告に2005年の衆院選費用として現金200万円も渡していた。どの候補者の費用に充てられたかなどは明らかにしなかった(「衆院選用にも200万円 福島談合公判で検察指摘」東京新聞2006年12月11日)。公判は12月27日に検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論を行い、結審する予定である(「東急建設元副支店長、起訴事実認める・福島談合」日本経済新聞2006年12月11日)。

「<福島談合>東急建設の元副支店長、起訴事実認める」毎日新聞2006年12月11日
「前知事弟に1000万円=東急建設元副支店長、罪状認める−福島下水道談合初公判」時事通信2006年12月11日
「謝礼金など1千万円、前知事弟側に 東急建設元副支店長」朝日新聞2006年12月11日
「東急建設元副支店長、初公判で罪状を認める…福島談合」読売新聞2006年12月12日

東急建設元副支店長に福島談合で懲役1年求刑

福島県発注の下水道工事を巡る談合事件で、刑法の談合罪に問われた東急建設東北支店の元副支店長、門脇進被告(63)の論告求刑公判が2006年12月27日、東京地裁(毛利晴光裁判長)でなされた。公判は結審し、判決は2007年2月15日に言い渡される。

検察側は「入札の公正を害して国民の犠牲の下、自らが所属する東急建設に不当な利益を得させた極めて悪質な犯行。門脇被告は主導的立場で談合を推進した」と述べ、懲役1年を求刑した。検察側は論告で、門脇被告が前知事、佐藤栄佐久被告の実弟、佐藤祐二被告らに受注の謝礼金を渡すなど「重要な役割を果たした」と指摘。門脇被告は起訴事実を認めており、最終意見陳述で「信頼を失墜し、後悔している」と述べた。

「福島談合、東急建設元副支店長に懲役1年求刑」日本経済新聞2006年12月28日
「門脇被告に懲役1年求刑」四国新聞2006年12月27日

東急建設元副支店長、福島談合で有罪判決

福島県発注工事をめぐる談合事件で、競売入札妨害(談合)罪に問われた東急建設東北支店元副支店長門脇進被告(63)の判決公判が、東京地裁であった(2007年2月15日)。毛利晴光裁判長は「談合の一掃が叫ばれる中、談合が後を絶たないことを示すもので社会的影響は大きい」として懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。同県発注工事をめぐる一連の談合・収賄事件で判決は初めて。

門脇元副支店長は落札後にも、選挙費用の名目で、辻社長を通じて前福島県知事佐藤栄佐久被告(67)の実弟で前縫製会社社長の佐藤祐二被告(63)に対し、500万円を譲渡。同工事入札の前後で佐藤前社長に計1千万円が渡っており、毛利裁判長は厳しく断罪した。「県民の犠牲の下、自社の利益のため積極的、主体的に談合にかかわった。犯行の動機に酌量の余地はなく果たした役割も大きい」。「官製談合の悪弊が如実に表れている。指名競争入札とは名ばかりで、厳しい非難に値する」。

「福島談合、東急建設元副支店長に有罪…東京地裁」読売新聞2007年2月15日
「福島談合で有罪 東急建設の元副支店長」中日新聞2007年2月15日
「福島談合、東急建設元副支店長に有罪判決・東京地裁」日本経済新聞2007年2月15日
「元東急建設社員に有罪判決 福島談合事件」朝日新聞2007年2月15日
「恒常的な官製談合」朝日新聞福島版2007年2月16日
「東急元副支店長に有罪/福島談合で初判決」四国新聞2007年2月15日

前田建設元副会長が東急建設の談合仕切りを証言

福島県談合汚職事件で、東急建設東北支店副支店長が談合を仕切っていたと証言された。証言は収賄罪に問われた、前知事の佐藤栄佐久被告(68)と、前知事の実弟で縫製会社前社長佐藤祐二被告(64)の第2回公判でなされた。第2回公判は東京地裁で2007年6月29日に行われた。贈賄側とされる前田建設工業の寺島一雄元副会長が検察側証人として出廷した。

寺島氏は東急建設東北支店副支店長の業者間調整での主導的役割を証言する。99年5、6月ごろ、仙台市の秋保温泉で、「仕切り役」の門脇進・東急建設東北支店元副支店長、江花亮・元県土木部長、水谷建設の水谷功元会長と会ったと述べた。その際、門脇元副支店長から「『木戸ダムはおたくに決まった』と聞いた」と述べた(「知事喜ぶと思った」朝日新聞福島版2007年6月30日)。

東急建設が談合謝礼金で根本匠議員を支援と証言

東急建設は談合謝礼金で自民党の根本匠衆院議員(福島2区、首相補佐官)の選挙を支援したと証言された。選挙で東急建設の不透明な資金をめぐるやり取りがなされたことは由々しき問題である。福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件で、前知事佐藤栄佐久被告の支援者で競売入札妨害罪に問われた会社社長辻政雄被告の第2回公判で明らかになった(2007年1月12日)。被告人質問で辻被告が証言した。

05年9月の衆院選の前、佐藤栄佐久・前福島県知事の実弟が東急建設側から受け取っていたとされる200万円について、前知事支援者だった辻政雄被告が、根本補佐官の選挙の支援名目で実弟から協力を依頼され、東急建設に取り次いだことを証言した。05年の衆院選の前に前知事の実弟の佐藤祐二被告(63)から「地元(郡山市)選出の根本さんの状況が悪い。自民党議員を落選させると兄の選挙が非常に不利になるので協力してくれ」と言われた。

辻被告は東急建設東北支店の副支店長だった門脇進被告に支援を要請。05年8月上旬か中旬、郡山市のホテルで門脇被告が辻被告に現金200万円を差し出したが、辻被告は「知事以外の政治活動は自分の範囲ではない」として祐二被告に直接持参するよう指示。門脇被告は同年8月23日、祐二被告に手渡した。

また、弁護側は東急建設が門脇被告を通じ、栄佐久被告の娘婿で民主党の玄葉光一郎衆院議員(福島3区)の政治資金パーティー券200万円分を購入していたことを明らかにした。祐二被告と県の元土木部長が04年秋、辻被告に購入を依頼し、東急建設が応じたとする。検察側は辻被告に懲役1年6月を求刑した。判決公判は2月22日である。

「「根本補佐官の支援取り次ぐ」 福島談合公判で証言」朝日新聞2007年01月13日
「福島県談合 根本氏陣営に200万円 東京地裁公判」河北新報2007年1月12日

東急建設東北支店、衆院議員のパーティー券購入

東急建設東北支店の門脇進・元副支店長(64)は玄葉光一郎・衆院議員(福島3区)のパーティー券300万円分を購入した。玄葉議員は佐藤栄佐久・前知事の娘婿である。坂本晃一・元県土木部長(66)がパーティー券売買の仲介役を務めた。

元部長は04年10月、前知事の支援者だった辻政雄・設備会社社長(60)に、玄葉議員のパーティー券を購入できる業者の紹介を依頼。紹介された東急建設東北支店の門脇進・元副支店長がパーティー券200万円分を購入した。

さらに、05年10月には、坂本元部長が門脇元副支店長から現金100万円を預かり、パーティー券代として玄葉議員の秘書に渡した(「談合関与の業者に玄葉氏パー券仲介 元福島県部長が証言」朝日新聞2007年8月25日)。

国土交通省、東急建設を談合事件で指名停止

国土交通省東北地方整備局は東急建設を指名停止にすると発表した(2006年10月19日)。指名停止期間は2006年10月20日から2006年12月19日までの2カ月間である(「福島談合で東急建設を指名停止」ケンプラッツ2006年10月23日)。

福島県、東急建設を談合事件で9ヶ月間指名停止

福島県は東急建設を2006年10月2日から2007年7月1日まで指名停止とした。指名停止理由は「不正又は不誠実な行為」である。「業務に関し不正又は不誠実な行為をし、工事等の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき」である(「工事等の請負契約に係る指名競争入札参加者の資格審査及び指名等に関する要綱に基づく基準等」別表第2の6)。

大阪府は競売入札妨害(談合)容疑による逮捕を理由に東急建設大阪支店を6ヶ月間の指名停止とした(2006年9月27日)。京都府も談合を理由に東急建設を指名停止とした。指名停止期間は2006年9月29日から2007年11月1日までである。和歌山談合による指名停止措置も加わっている。措置要領第4条第2項により期間2倍とされた。

「福島県談合 東急建設を9カ月間指名停止に」河北新報2006年10月3日
菊谷隆「県発注工事談合:県、東急建設を9カ月指名停止/福島」毎日新聞2006年10月4日

東急建設株価大幅安

東京株式市場では東急建設株(コード1720)が大幅安となった(2006年8月18日)。水谷建設の脱税事件に絡み、東北支店長が自殺との報道を嫌気して、東急建設株が売られた。競売入札妨害容疑で有罪になれば指名停止は免れない。入札で落札したにもかかわらず、議会承認が得られずに失注する公共事業も続出する。その結果、業績下方修正を余儀なくされる。東急建設の悪材料はこれからである。

東急建設株5日続落

東急建設株は2006年9月26日には5日続落した。前日比60円安(基準値比53円安)の1050円まで売られた(「東急建設が5日続落、福島県の談合事件に係る同社従業員逮捕を嫌気」株式新聞2006年9月26日)。福島県発注の公共工事を巡る談合事件で、東急建設東北支店の門脇進・元副支店長が競売入札妨害容疑で逮捕された(2006年9月25日)。このため、嫌気売りが先行した。

「ホットストック:東急建設が大幅安、水谷建設の脱税事件に絡み支店長自殺で」ロイター2006年8月18日
「東急建設が軟調」株式新聞2006年8月18日
「東急建設がウリ気配」株式新聞2006年9月26日

水戸市、談合疑惑で東急建設との契約締結見合わせ

水戸市は、東急建設との請負契約締結を見合わせる(2006年9月5日)。市立第二中学校改築工事(一期)の請負契約締結に関する議案を、九月定例議会に提出しない。同工事を受注した共同事業体(JV)に東急建設が含まれていたことが理由である。

市は契約締結の承認を求める議案の提出を当面は凍結し、今後は捜査の行方を見守った上で、正式に契約するかどうか判断する。工事は既に仮契約が終わった段階で、談合による指名停止の処分が出る前の契約見合わせは異例である。

同工事は、東急建設と水戸市内の三社によるJVが一般競争入札により、約8億850万円で受注した。ところが、福島県発注の下水道事業の入札で東急建設が談合により工事を受注した疑いが浮上した。談合の仕切り役とされる地元の社長が逮捕されるなどしたため、市は市議会の承認を得るのは困難と判断した。

水戸市の加藤浩一市長は以下のコメントを出した。「東急建設において著しく信義に反する行為が想定される報道があり、その内容の真偽について調査に時間を要するため、今議会への上程を控えた」(秦淳哉「学校工事締結見合わせ 東急建設の談合疑惑で」中日新聞2006年9月6日)。

東急建設、札幌市地下通路工事を辞退

東急建設は札幌市発注工事の一部を落札した共同企業体(JV)への参加を辞退すると同市に伝えた(2006年9月12日)。工事はJR札幌駅−大通公園間の地下通路(地下歩道)建設工事である。東急建設は、伊藤組土建など道内四社と構成したJVで代表を務め、8月に26億8800万円で工事を落札、市と仮契約していた。

市はJVに残る道内四社で工事を行う方針を決めた(2006年9月13日)。市によると落札後の辞退は前例がないという。東急建設は理由について「諸般の事情を考慮した」と述べる。しかし福島県の下水道工事談合事件を考慮したとみられる(「東急建設、JVを辞退 札幌駅−大通の地下通路工事」北海道新聞2006年9月14日)。別の取材には「それ(談合)がすべてではないが、全く関係ないとはいえない」(経営企画室)と答えた(「札幌地下歩道工事、道内4社が施工へ」日本経済新聞2006年9月16日)。

東急建設、茨城県新石下橋橋梁下部工事を辞退

東急建設を代表とするJVは茨城県発注の新石下橋橋梁(きょうりょう)下部工事を辞退した。同工事は、東急建設」を代表としたJVが受注し仮契約した。しかし同社が福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件に関与していたことを理由に契約を辞退したため、県は入札をやり直した(秦淳哉「県、新たな契約議案 談合で業者辞退」中日新聞2006年11月9日)。

茨城県議会では談合に関与した東急建設への発注が批判された。「全国で問題になっている談合企業の追及です。九月県議会で、福島県の談合事件にかかわった東急建設と、自民県議などのファミリー企業がJV(共同企業体)を組んで受注した、橋梁(きょうりょう)工事請負契約の議案が提出されました。与党だけの土木委員会は全会一致で可決。そこで日本共産党の大内県議は本会議の反対討論を通告しました。通告しただけで県は急きょ議案を撤回しました」(「オール与党と共産党の対決」しんぶん赤旗2006年12月6日)。

福島談合の構造

福島県の公共工事をめぐっては、県庁側にパイプを持ち、影響力を持つと業者から見られている複数の地元の仕切り役が、各社への工事配分などを主導したとされる。各ゼネコンや地元業者からの工事受注願いを受け、発注者側の意向を指す「天の声」の他、設計会社との緊密ぶりを示す「地の声」的な要素も考慮しながら、受注業者を配分する。受注した業者側から仕切り役に対し、多額の成功報酬(謝礼)も支払われたという。

福島県ではゼネコン側の談合は、大手ゼネコン「鹿島」の東北支店幹部が取りまとめていたとされる。東急建設は、辻容疑者の意向で佐藤工業とJVを組んで受注業者となることを鹿島側に報告、了承を得たとされる(「福島県談合 受注組み合わせ指定」しんぶん赤旗2006年9月14日)。

東急建設側は入札前に佐藤祐二容疑者、坂本晃一元県部長の二人に、それぞれ挨拶に訪れ、工事の「本命」に決定したことを報告した。これを受け、両容疑者が最終的に話し合った結果、東急建設の落札が了承された(「佐藤、坂本容疑者に「本命報告」=東急建設側があいさつ−福島談合」時事通信2006年9月26日)。

坂本元県部長は入札前の段階で県土木部の入札担当者に連絡した。県への連絡は、落札予定会社を入札指名から落とさないようにしてもらうのが狙いで、県側はそれを受け入れていたという(「福島知事実弟、談合結果を県OB通じ入札担当に伝達」朝日新聞2006年9月27日)。

福島県談合で仕切り役ら逮捕

福島県発注の流域下水道工事の入札談合疑惑で、東京地検特捜部は、同工事の入札で談合の仕切り役を務めたとして、空調設備管理会社社長・辻政雄容疑者(59)と、同工事を受注した地元大手「佐藤工業」(福島市)の営業部長・八巻恵一容疑者(47)を競売入札妨害(談合)容疑で逮捕した(2006年9月4日夜)。東急建設と佐藤工業の共同企業体に受注させるため、他のJVに高値で応札するよう談合した疑いである。

特捜部は同日、佐藤工業本社や同社の佐藤勝三会長(66)、辻容疑者の自宅を捜索した(「福島県発注の下水道工事、談合で仕切り役ら2人逮捕」読売新聞2006年9月5日)。特捜部では、東急建設東北支店幹部らも関与した疑いがあるとみて、調べを進める(「福島県談合 仕切り役逮捕」東京新聞2006年9月5日)。

江花亮・元県土木部長(70)の自宅でも、5日午前5時過ぎまで捜索が行われ、段ボール約35箱が運び出された(「福島県発注談合、佐藤知事「疑い持たれ申し訳ない」」読売新聞2006年9月5日)。元県土木部長は92年7月から95年3月まで土木部長を務めた後、県の外郭団体である県建設技術センター理事長や県建設産業団体連合会副会長を歴任した。

辻政雄容疑者

辻政雄社長は佐藤栄佐久知事の選挙に協力し、知事の実弟で紳士服メーカー「郡山三東スーツ」の佐藤祐二社長と親密とされる。佐藤知事とは青年会議所活動で知り合った。佐藤知事が1998年9月、参院議員からくら替えし出馬して知事選で初当選した際、選挙応援をしていた。知事秘書の名刺を持ち歩くこともあったとされる。地元業者からは「知事の裏の秘書」「仕切りだけでメシを食っている男」と呼ばれていた。意に沿わない業者には「指名から外すぞ」と影響力を誇示していたという。辻容疑者は設備管理会社など二社を経営しているが、営業実体はほとんどないとみられる。

辻政雄容疑者は1996年以降、同県の佐藤栄佐久知事の政治団体に対し、経営する会社名義等で毎年12万円、計120万円を献金していた。辻社長が毎年献金していたのは、佐藤知事の政治団体「社会政治工学研究会」。同研究会の政治資金収支報告書によると、辻社長が経営する「ツヂメインテナンス・エンヂニアリング」名義で96〜99年、辻社長の個人名義で00〜05年、それぞれ毎年12万円、計120万円が献金されていた(「逮捕の社長、福島県知事に献金10年 計120万円」朝日新聞2006年9月5日)。

辻政雄容疑者は近年、同県内の建設業者で作る談合組織から、仙台市を拠点とする大手ゼネコンの談合組織に活動範囲を広げ、業界の仕切り役として「昇格」していたことが、関係者の話でわかった。ゼネコン側は、県側の意向を知る人物として辻社長の調整を受け入れたという(「辻容疑者、数年で大手の仕切り役に 福島談合事件」朝日新聞2006年9月13日)。

辻政雄容疑者は、東京地検特捜部の調べに容疑を全面的に否認している。調べには「東急建設も知らない」と話した(「<福島談合>逮捕された空調設備社長 「容疑」全面否認」毎日新聞2006年9月6日)。その後、容疑を大筋で認める供述を始めた。業者からの謝礼金受領も認めているという(「<福島県談合>辻容疑者が容疑認める供述 謝礼金受領も」毎日新聞2006年9月14日)。

福島談合仲介役の辻政雄被告、東急建設受注工作を認める

福島県発注工事をめぐる談合事件で、談合仲介役の辻政雄被告は初公判で東急建設の受注工作を認めた。競売入札妨害の罪に問われた辻政雄被告の初公判は2006年12月14日に東京地裁(小池勝雅裁判長)で開かれた。

検察側冒頭陳述によると、東急建設から陳情を受けた辻政雄は04年6月上旬頃、郡山市にある縫製会社内で佐藤祐二・前社長に面会。辻が「流域下水道は、東急が来てたけど、いいんでしょう」と聞くと、佐藤祐二は「はい、はい」「元県土木部長にも言っておいて」と答えた。辻は、東急建設が本命との意向を確認し、元県土木部長にも伝えた。

「設備会社社長、起訴事実認める 福島談合事件初公判」朝日新聞2006年12月15日
「辻被告、起訴事実認める/県発注談合初公判」福島放送2006年12月15日

佐藤工業

東急建設がJVを組んだ佐藤工業の佐藤勝三・取締役会長(66)は地元業者の談合調整役と指摘されている(「地元大手建設会長を聴取/福島工事疑惑で東京地検」秋田魁新報2006年9月3日)。東京地検特捜部は佐藤工業の会長を参考人として事情聴取した(2006年9月3日)。特捜部は、佐藤工業会長に対し、県発注工事での受注調整の有無について聴いたとみられる。

佐藤工業は福島県内トップの売上高を誇る。佐藤工業会長は福島商工会議所会頭、福島県商工会議所連合会会長である。佐藤勝三会長は、福島市の福島商工会議所内で報道陣の取材に応じ、事件の責任を取り会頭を辞任する意向を示した(2006年9月5日)。伯父は元福島県知事の故佐藤善一郎氏である。

佐藤工業会長、東急建設社長の罪を指摘

福島県談合事件(福島県汚職事件)で、競売入札妨害罪に問われた「佐藤工業」(福島市)の元会長、佐藤勝三被告(67)は初公判の場で東急建設の山田豊彦社長の罪を指摘した。初公判は東京地裁406号法廷で開かれた(2006年12月8日)。佐藤被告は「私に罪があるなら、中央のスーパーゼネコン(大手総合建設会社)の社長にも罪がある」と持論を展開した(今村茜「県発注工事談合:「ゼネコンにも罪が」 佐藤元会長、持論展開−−初公判 /福島」毎日新聞2006年12月9日)。

問題の流域下水道工事は佐藤工業と別の地元建設会社とのJVが受注する筈であった。しかし談合で東急建設が割り込み、東急建設と佐藤工業のJVが受注した経緯がある。佐藤被告が罪があると指摘する中央のスーパーゼネコン社長が東急建設社長を指していることは明白である。

東急建設と共謀した佐藤工業前会長に実刑判決

福島県発注の公共工事を巡る談合事件で、競売入札妨害の罪に問われた県商工会議所連合会の元会長で、地元建設大手「佐藤工業」の前会長佐藤勝三被告(67)に対する判決公判が、東京地裁であった(2007年2月28日)。小池勝雅裁判長は「公正な価格形成を妨げる悪質な犯行」として、懲役6カ月(求刑懲役10カ月)の実刑判決を言い渡した。

判決によると、佐藤被告は04年、同県が発注した流域下水道工事の入札で、自社と東急建設の共同企業体(JV)に落札させるため、自社の業務担当者に指示して談合した。共謀したとされる東急建設東北支店元副支店長の門脇進被告も同地裁で有罪判決を受けている。

小池勝雅裁判長は「公正な業者選定と価格形成を妨げる悪質な犯行。責任の重さを自覚させるためには、安易な執行猶予は不相当」とする。「公判で県民に謝罪せず、部下の責任を認める一方で、自らの責任についてはあいまい。真摯な反省の情が全くない」と厳しく批判。「弁護側が主張する罰金刑は到底考えられない」と述べた。

「佐藤工業前会長に懲役6カ月の実刑判決 福島談合事件」朝日新聞2007年2月28日
「談合の佐藤工業元会長に実刑判決」日刊スポーツ2007年2月28日
「佐藤工業元会長に実刑判決、福島談合で東京地裁」日本経済新聞2007年2月28日
「佐藤工業元会長に実刑、福島県談合」徳島新聞2007年2月28日

佐藤栄佐久・福島県知事、辞職表明

福島県発注工事を巡る談合事件で、佐藤栄佐久・福島県知事は、県庁で記者会見し、実弟が逮捕された道義的責任を取って辞職することを表明した(2006年9月27日)。福島県を舞台にした談合事件は、県政トップの辞職に発展した。県議会各会派が知事の辞職勧告決議案の提出を検討するなど、知事の責任を問う声が高まっていた。

佐藤知事は近く、渡辺敬夫県議会議長に辞表を提出。公職選挙法の規定により、辞職翌日から50日以内に出直し知事選が行われる(「佐藤・福島県知事が辞職表明、談合事件で実弟逮捕」読売新聞2006年9月27日)。

佐藤知事は、合併しない市町村への支援表明や、原発をめぐる核燃料税について燃料価格だけでなく重量にも課税し、プルサーマル計画の受け入れを撤回。大型商業施設に立地場所の変更を県が勧告できる条例の提起等、言動が注目されていた(「佐藤・福島知事が辞職表明 弟逮捕で引責」中国新聞2006年9月27日)。

東急建設、受注謝礼を談合窓口役に渡す

東急建設の門脇進・元副支店長は福島談合で談合仲介役の辻政雄・設備会社社長に受注謝礼として現金計800万円を渡した。

県発注の公共工事を巡る県政汚職事件で、収賄罪に問われた前知事の佐藤栄佐久被告と前知事実弟で縫製会社前社長の祐二被告の第10回公判が2007年9月20日、東京地裁であった。公共工事を巡る談合について、受注を依頼する業者側の窓口役を務めたとされる前知事支援者の辻政雄・設備会社社長(60)の証人尋問が行われた。

社長は07年2月、04年県発注の下水道工事で東急建設の門脇進・元副支店長らと共謀したとして競売入札妨害罪に問われ、東京地裁で有罪判決を受けた。元副支店長から直接受け取った現金計800万円は、「東急建設からの仕事の謝礼のお金です」と言って祐二前社長に渡した、と証言した。下水道工事の本命業者について「東急でいいんでしょ」と尋ね、祐二前社長が「はいはい」と答えたことで確認したとも証言した。

東急建設が県北流域下水道工事を談合で受注し、その際に支払った謝礼金についても、検察側は社長に尋ねた。社長は、この謝礼金が、自民党の根本匠衆院議員の選挙資金と、民主党の玄葉光一郎衆院議員のパーティー券の購入に充てられたとの認識を示した。

社長は、根本議員について「前知事陣営が丸抱えだった」と指摘。だが05年の総選挙では不利な状況にあり、「祐二前社長から『根本が厳しいから業者を回ってくれ』と言われた」と証言。東急建設の元副支店長に支援を依頼すると、「受注のお礼です。衆院選に使ってほしい」と200万円を持ってきたと述べた。ただ社長は受け取らず、「祐二前社長に直接渡すように言った」という。

前知事の娘婿の玄葉議員については「坂本晃一・元県土木部長からパーティー券を買ってほしいと言われ、東急建設に2回頼んだ」と証言。社長は「(玄葉議員からの)購入依頼が度重なったので、『甘えるのも甚だしい』と坂本元部長に言った」とも述べた(「談合「実弟が主導」」朝日新聞福島版2007年9月21日)。

東急建設東北支店元副支店長、秋田県知事に政治献金

東急建設東北支店元副支店長・門脇進は寺田典城・秋田県知事の資金管理団体などに05年3月、計200万円を政治献金した。門脇進は福島県発注の公共工事を巡る談合事件で懲役1年執行猶予3年の判決を受けた。

献金を受けていたのは、寺田知事の資金管理団体「寺田すけしろ後援会」と政治団体「新しい秋田をつくる会」。元副支店長の個人名で両団体に、100万円ずつ献金されていた。住所は、同支店がある仙台市青葉区内が記入されていた。

献金を受けた05年3月21日は知事選告示の10日前だった。政治資金規正法は、企業・団体献金の受け皿を政党支部に限定しているため、この2団体への献金は認められていない。政治資金制度に詳しい岩井奉信日大教授は「献金した個人が副支店長で、住所も会社。金額は200万円と高額で、選挙直前という献金時期など、個人に名を借りた企業献金とみられても仕方がない。返還は当然だ」と述べた。

東急建設は04年度、土木や建築などで県の入札参加資格A級業者。また、03年3月から04年12月に施工された、県立横手清陵学院中学・高校の建築工事の一部を、東急建設、創和建設を含むJVが受注している。創和建設は知事自身が91年まで社長だった(「福島談合で有罪の業者幹部 献金」朝日新聞秋田版2007年9月22日)。

「「知事周辺者が仕切り役」 福島県発注談合疑惑」産経新聞2006年8月19日
「<水谷建設脱税事件>元会長を追起訴 焦点は福島談合疑惑に」毎日新聞2006年8月23日
「県商議所会長を参考人聴取 福島・公共工事談合疑惑」朝日新聞2006年9月4日
「平均落札率95・9%/福島談合は構造的か」秋田魁新報2006年9月5日
「福島県発注の下水道工事、別工区でも談合か」読売新聞2006年9月5日
「「捜査の手どこまで」 県庁、地元業界に動揺 福島県談合」河北新報2006年9月5日
「辻容疑者が組み合わせ=工事受注JV、東急建設依頼で−福島談合」時事通信2006年9月5日
「福島県談合 佐藤工業会長、商議所会頭を辞職へ」河北新報2006年9月5日
「福島談合工事企業、仕切り役が最終決定・辻容疑者」日本経済新聞2006年9月6日
「大阪の中堅が関与 調整役、鹿島了承 福島県工事談合」河北新報2006年9月6日
「知事実弟に密着、政治力誇示=新年会、誕生日パーティで−福島談合で辻容疑者」時事通信2006年9月7日
「福島県談合 辻容疑者関与認める「自らリベート要求」」河北新報2006年9月15日
「地元大手役員も認める 福島談合、裏付け捜査続く」中国新聞2006年9月20日
「知事実弟の関与強まる、東京地検が追及へ…福島県談合」読売新聞2006年9月21日
「福島県下水道工事、佐藤工業会長が談合認める」読売新聞2006年9月22日
「佐藤工業会長が談合認める 福島県談合で受注調整役」河北新報2006年9月22日
「福島談合事件 知事の実弟ら逮捕 知事の進退問題に波及へ」毎日新聞2006年9月26日
「福島県談合 佐藤知事の弟ら3人逮捕 受注業者から謝礼」河北新報2006年9月26日
「佐藤知事実弟を逮捕=落札業者から謝礼金−福島談合事件・東京地検」時事通信2006年9月26日
「<福島談合>知事弟、現金受領認める 容疑は否認」毎日新聞2006年9月26日
「元県部長が「天の声」 福島知事弟と受注先決める」秋田魁新報2006年9月26日
「福島県幹部、「談合システム」代々引き継ぐ」読売新聞2006年9月27日
「知事弟、政治資金集めも・福島談合」日本経済新聞2006年9月27日
「福島県談合 坂本容疑者が県幹部に受注予定社名伝える」毎日新聞2006年9月27日
「佐藤工業会長、競売入札妨害罪で起訴 福島談合事件」朝日新聞2006年9月28日
「前知事の元秘書を聴取、政治資金の流れ捜査 福島談合」朝日新聞2006年10月1日
「「受注調整の結果聞いた」 前福島知事弟、供述かえる」朝日新聞2006年10月3日
「福島前知事側に数千万円 ゼネコン資金提供認める」秋田魁新報2006年10月6日
「福島談合、前知事弟に東急建設から謝礼計1000万円」読売新聞2006年10月12日
「東急建設元副支店長の保釈決定、福島談合で東京地裁」日本経済新聞2006年10月18日

福島県、下水道談合で東急建設らに損害賠償請求

福島県発注の阿武隈川上流流域下水道整備工事入札をめぐる談合事件で、福島県は2007年10月26日までに、東急建設と地元大手の佐藤工業(福島市)に対し、工事契約額の10%に当たる8169万円の賠償金を請求した。対象は2004年8月に入札が行われた下水道整備工事。両社の共同企業体が落札した。その後、競売入札妨害罪に問われた東急建設東北支店の元副支店長と佐藤工業元会長は有罪が確定した。

県工事請負契約約款には、談合で刑が確定した場合は業者が県に工事請負代金の10%を支払う義務を定めている。談合が行われた工事の請負代金は8億1690万円。約款では、10%を超えて請求することも可能としているが、賠償金額を証明するのが困難として、10%にとどめた。

「東急建設などに賠償請求=下水道談合事件−福島県」時事通信2007/10/26
「県が下水道談合で賠償請求」福島放送2007年10月27日

東急建設、新潟県鵜川ダム工事でも談合疑惑

東急建設は新潟県が2004年に発注したダム工事でも談合疑惑に直面している。談合の疑いが持たれているのは、二級河川・鵜川の治水や利水を目的とした鵜川ダム本体建設工事(新潟県柏崎市)である。2004年1月の入札で前田建設工業と東急建設等の3社の建設共同企業体が137億5000円で落札した。落札率(予定価格に占める落札額の割合)は94%であった。

ゼネコンを幹事とするJV 8組が一般競争入札に参加した。関係者によると、ゼネコン各社は入札前に「チャンピオン」(落札予定会社)を決め、東急建設らのJVが落札できるよう談合した疑いが持たれている。各社の北陸担当者らが中心に談合していたとされる(「新潟県発注のダム工事でも談合 一部認める 東京地検聴取」産経新聞2006年9月21日)。ダムは2004年3月に本体工事に着手し、2017年度の完成を目指す。

鵜川ダム工事談合疑惑は、福島県発注工事の事件捜査で浮上した。既に東京地検特捜部が入札に参加したゼネコン担当者らから事情聴取している。特捜部は入札の経緯などについて説明を求めたとみられる。

「<福島談合事件>新潟のダムも疑い ゼネコン聴取…東京地検」毎日新聞2006年9月20日
「新潟のダムでも談合か」福島民友新聞2006年9月20日
「新潟のダムでも談合か/福島県事件で浮上」四国新聞2006年9月20日

東急建設に対する行政処分

東急建設大阪支店、大阪府から指名停止

大阪府は大阪府建設工事等指名停止要綱に基づき、東急建設大阪支店(大阪市北区豊里)を建設工事等入札参加資格者の指名停止にした。措置期間は2004年4月7日から5月6日まで(1ヵ月)。府(土木部)発注工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、工事関係者が負傷したことを理由とする(大阪府「建設工事等入札参加資格者の指名停止について」2004年4月7日)。

東急建設奈良営業所、奈良県から指名停止

奈良県は東急建設奈良営業所(奈良市)を指名停止とした。指名停止理由は談合である。指名停止期間は2006年10月2日から2007年1月1日までである。奈良県は2005年8月1日から8月31日まで工事関係者事故を理由に東急建設を指名停止処分にしている。

東日本高速道路株式会社、東急建設を指名停止

東日本高速道路株式会社は東急建設を指名停止とした。指名停止期間は2006年3月24日から4月23日までの1ヶ月間である(東日本高速道路株式会社「指名停止措置について」2006年3月24日)。

指名停止理由は安全管理の措置が不適切であったことにより、工事等関係者に負傷者を生じさせたことである(「指名停止等事務処理要領」(2005年10月7日東高契第9号)別表第1第7号)。関東支社発注の「北関東自動車道 岩瀬トンネル東工事」において、カルバートパイプの埋設の作業において、後退しながら整地を行なっていたバックホーと人力による土砂の整地作業を行なっていた作業員とが接触し、作業員の足がキャタピラに挟まれ、負傷した(2006年3月3日)。

東急建設、丸投げで道路公団から指名停止

東急建設は道路公団の北陸自動車道大積パーキングエリア休憩施設新築工事において一括下請負の禁止に違反したため、二ヶ月間の指名停止処分を受けた。本工事は昭和54年9月10日、東急建設株式会社は1億7400万円で受注した。工事は昭和55年9月28日に完了した。

しかし、その後の調査によって、元請人である東急建設株式会社は、工事のほとんど大部分を公団の承諾なしに株式会社吉原組に下請負に出していることが判明した。これは工事請負契約書第7条(一括下請負の禁止)違反である。

東急建設の丸投げ問題は第96回国会参議院予算委員会(昭和57年2月17日)において取り上げられた。佐藤昭夫委員による高橋国一郎・日本道路公団総裁への参考人質疑の中で論じられた。佐藤議員は「土地転がし等の田中金脈問題」「田中(引用者注、田中角栄)ファミリー企業の、建設業法もじゅうりんしての公共事業独占の問題」から本件を質問している。

日本下水道事業団、和歌山談合と福島談合で東急建設を指名停止

日本下水道事業団は和歌山談合と福島談合を理由に東急建設を指名停止とした。和歌山談合での指名停止理由は東急建設の従業員が、和歌山県発注のトンネル工事をめぐる談合事件で、2006年11月1日に大阪地検特捜部に競売入札妨害罪で起訴されたことである。指名停止期間は2ヶ月で指名停止期間は2006年11月22日から2007年1月21日である。指名停止措置対象区域は近畿区域である。

福島談合での指名停止理由は東北支店元副支店長で嘱託職員が、福島県発注の阿武隈川上流流域下水道事業の指名競争入札で談合したとして、2006年9月25日、競売入札妨害(談合)容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことである。指名停止期間は2ヶ月で指名停止期間は2006年12月5日から2007年2月4日である。指名停止措置対象区域は東北区域である。

東急建設、さいたま市の侵入水防止工事を辞退

東急建設は、さいたま市大宮区北袋町の侵入水防止工事を辞退した。入札日時は2006年6月6日であった。

開札記録票
http://www.city.saitama.jp/contentsdownload/7d61040b11311fb/nyusatukekka200606.pdf

東急建設、目黒区入札でダンピング疑惑

東急建設は目黒区の競争入札で低入札価格調査制度の対象になった。問題の入札は目黒区立下目黒二丁目母子生活支援施設(仮称)下目黒自転車集積所新築工事である。入札は2007年10月17日に行われ、東急建設の入札価格が一番安かった。この価格は低入札価格調査制度による基準価格を下回ったため、目黒区は落札を保留した。

最終的には東急建設を落札者として決定したが、以下の課題を残した。「低入札価格調査を実施するには、明らかにダンピングが行われたどうか等細部にわたる調査が求められており、調査体制の整備を図る必要がある」(目黒区契約事務改善検討委員会「契約実態に関する調査結果」2004年8月)。尚、東急コミュニティーが目黒駅行政窓口管理業務で目黒区と随意契約を締結していることも判明した。

市場縮小で東急建設に打撃

談合事件に、耐震強度偽装問題、悪質リフォーム問題と、建設産業に対する国民の不信感は高まるばかりである。建設業界は市場の縮小で閉塞感が強い。長期化する国と地方の公共事業予算削減が経営を直撃する。公共事業の先細りで、建設業界には強い逆風が吹いている。建設投資は2003年度には55兆2000億円であるが、2020年度には最低で39兆7000億円、最大でも51兆1000億円に減少すると予想される((財)建設経済研究所「建設投資等の中長期予測」2005年8月3日)。

市町村の合併を促進する「平成の大合併」により、地方自治体の公共事業費が全国で年間約8000億円の縮減が予想される。総務省が財政面での合併効果を試算したところ公共事業費に当たる「普通建設事業費」の平年度ベースの総額が、合併前は4.03兆円だったのに対し合併後は3.22兆円まで減少するとの結果が得られた。

住宅も既に国内の全世帯数と建物の全戸数が逆転している以上、仕事が減るのは間違いない。かつて威勢を誇ったゼネコンは、今や巨体を持て余す状態である。各社ともしのぎを削り、限られたパイをできるだけ多く奪い取ろうとしている状況である。予定価格を大幅に割り込む「低入札」も収まりそうにない。しかも原材料の高騰や人件費の上昇が見込まれる状況である。

北海道建設業信用保証、東日本建設業保証、西日本建設業保証の主要前払保証3社がまとめた2005年度公共工事動向によると、請負金額ベースの取扱高は前年度比5.6%減の12兆9621億円にとどまった。ピークだった1998年度は26兆6000億円台で、7年間で市場規模が半減したことになる(「7年で市場半減/地方の縮小が鮮明/3保証の05年度統計」日刊建設通信新聞2006年6月12日)。

建設業の受注総額は1990年代に比べて落ち込んでいる。受注総額は落ちているが、大手ゼネコン5社のシェアは伸びている。そのあおりを受けているのが準大手の建設会社である。このクラスの会社の売り上げは年々落ち込んでいる。これが今の建設業界の実態である。

「建設業は、工事金額は大きいが利益は薄い産業だ。一兆円売り上げても利益はせいぜい二、三〇〇億円程度にしかならないのだから、売り上げが落ちれば途端に利益が出なくなる」(鬼島紘一『告発』徳間書店、2000年、16頁)。

無駄

公共事業に無駄なものが多いというのは声を大にして言いたい。同時に成果のあがらない宇宙開発に金をつぎ込むのも無駄である。こういうものが無駄であることを明らかにするのには費用対効果、ROI分析というような地道な作業が必要である。

暗い話を避け、夢というと聞こえがいいが、現実逃避に夢想するから、人のいないところも含めて日本全国に道路や鉄道を敷設しようなんてことになった。蓄財は洋の東西を問わず美徳である。今日の経済的低迷はバブル期の無駄遣いに起因する。

相対的には高度成長・バブル期ならば成果の上がらない馬鹿なことに金をつぎ込む余裕があったかもしれない。ゼロ成長・マイナス成長期には儲けることよりも損をしないことが重視される。実際、企業は新規分野に挑戦するよりも設備投資を控え、リストラを断行し、コアコンピタンスのある分野に手堅く特化しようとしている。家計においても無駄遣いを抑制し、節約に努める傾向にある。

世界には通用しないゼネコン

ゼネコンという業態は世界には通用しない。ゼネコンは、設計から施工まで一社が引き受ける。そのような業態が海外にはない。海外ではアンバンドルといって、設計、エンジニアリング、工事とバラバラにそれぞれ専門の会社が受け持つ。そのために相互に牽制が効くという利点がある。監査する会社もあり、工事人を見張ってくれる(大前研一「談合をなくす二つの妙案」SAFETY JAPAN、日経BP社2006年9月6日)。東急建設やピーエス三菱が八王子公団欠陥マンションでしたような手抜き工事で利益を上げることが難しいシステムになっている。だから日本のゼネコンは海外では通用しない。

京都議定書

京都議定書は、2005年2月16日に発効した。京都議定書では先進国の温室効果ガス排出量について、 法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定した。また、国際的に協調して目標を達成するための仕組みを導入した。排出量取引、グリーン開発メカニズム、共同実施等である。

日本は2008年から2012年にかけて1990年比温室効果ガス排出を絶対量で6%削減しなければならない。EUは8%である。米国は7%とされたが、未批准である。先進国全体では少なくとも5%削減を目指す。2003年度の温室効果ガス排出量は1990年比で8.3%増加している。日本は増加分を合わせて14.3%削減しなくてはならない。

「京都議定書で求められたようにCO2の排出量に関しては建築による影響がかなり大きいことを考えると、戦後の社会がつくり上げてきた土建国家のような勢いではもう建築はつくられるべきではない」(松岡拓公雄「建築の学生は団地再生に興味があるのか」月刊ウェンディ199号、2005年、9頁)。

自然災害多発による痛手

自然災害多発により、東急建設は大きな痛手を受ける可能性がある。近年、国内外で異常気象、自然災害が相次いでいる。災害の規模も被害も大型化している。自然災害多発の遠因が人間による自然破壊であるならば、この傾向は今後も続くものと予想される。 日本では地震や台風が頻発している。2000年以降、大規模な地震が相次いで発生している。鳥取県西部地震(2000年)、芸予地震(2001年)、宮城県沖地震・宮城県北部の地震・十勝沖地震(いずれも2003年)、新潟県中越地震(2004年)、福岡県西方沖地震(2005年)である。加えて、首都直下地震や東南海・南海地震など、「いつ発生してもおかしくない」という大地震が警戒されている。海外ではインド洋大津波(2004年末)、トルコ大地震、アメリカのハリケーン「カトリーナ」「リタ」と大きな災害が次々と起きている。

自然災害により、建造物は被害を受ける。特に欠陥住宅や手抜き工事による建造物の被害は甚大である。逆に災害による損壊で手抜き、欠陥が判明したケースもある。宮城県沖地震(2005年8月16日)では仙台市のスポーツ施設「スポパーク松森」の天井が崩落した。この崩落事故によって手抜き(天井に免震金具の「振れ止め」を取り付けなかった)が判明した(「天井落下事故、設計・施工双方に不手際 国交省が報告書」朝日新聞2005年8月26日)。

建造物の欠陥は見つかりにくいものである。外観だけでは専門家でも判定できないことが多い。竣工から長期間を経た後で判明することが多い。実際、八王子の公団マンションも欠陥が明確化したのは大規模修繕時である。しかし自然災害の多発により、災害がなければ当分の間、露見しなかった筈の欠陥や手抜きが発覚しうる。

むしろ以下のように指摘される。「建物の骨組みは一度、外壁などで覆われてしまったら、地震等で剥がれでもしない限り、なおさら素人には窺い知れない」(山岡俊介「「基礎杭」全国トップ企業のマンション「建築基準法違反」疑惑」財界展望2005年11月号54頁)。

「さまざまな問題を抱えている鉄筋コンクリートですが、何といっても厄介なのは、その劣化が短時間には露見しないことです」(橋本一郎、サラリーマンでもできるマンション投資・家賃収入で儲ける極意、明日香出版社、2004年、67頁)。

自然災害による復興需要が建設業界の追い風となるとする見解がある。しかし八王子公団欠陥マンションを施工した東急建設のような建設業者にとっては旧悪が露見する可能性が高い。災害後に手抜き施工業者を待つのは復興需要ではなく、損害賠償や社会的制裁である。

瑕疵補償費急増でゼネコンの収益圧迫

竣工引き渡し後に発生した瑕疵に伴い、ゼネコンが補修する費用(補償費)が膨らんでいる。補償費の大部分は、民間建築工事が原因と見られる。土木から建築へのシフト、クレームの多いマンションの売上増が原因と考えられる。一方で価格競争の激化や技術力の低下が品質の悪化につながっている面がある。グランドステージ東陽町等の構造計算書耐震強度偽装物件はその象徴である。

補償費の増加は、収益を圧迫するだけでなく、企業ブランドにも直結する問題だけに深刻である。補償費の急増はゼネコン各社の決算からもみてとれる。完成工事の責任補修に備え、過去1−3年間の補修実績をベースに算定し、計上するゼネコンが多い「完成工事補償引当金」が完成工事高の伸びを上回るピッチで増えている。

建設業、法令違反で続々倒産

帝国データバンクは2006年度上半期の倒産企業のうち、負債額が1億円以上で、倒産の理由にコンプライアンス(法令順守)違反が認められる53件について調査した結果を公表した。最も多い業種は建設業で、21件(約40%)に上る(「法令違反で倒産した企業、業種別では建設業が3〜4割占める」ケンプラッツ2006年11月28日)。

同社が5月に発表した03年度から05年度までの同様の調査結果でも、建設業は163件中54件(約33%)を占めていた。全業種について法令順守違反の内訳を見ると、「談合」は06年度上半期には最も多く約19%、05年度までは「横領」に次いで2番目の約15%だった。法令順守違反の倒産件数の総数が半年間でどれくらいかを見ると、05年度上半期38件、同年度下半期36件、06年度上半期53件で、06年度に入って増加する傾向にある。

独禁法社内監査、建設業者の実施は僅か12%

公正取引委員会は2007年5月16日、建設業者のコンプライアンス(法令順守)に関するアンケート調査結果を公表した。談合など独占禁止法違反行為について社内監査を実施しているのが12.1%にとどまるなど、特に中小企業で態勢整備が進んでいないことが分かった。

調査は2006年9月に実施、1052社から回答を得た。それによると、独禁法の順守規定を定めているのが17.8%、従業員からの相談や通報を受け付ける窓口を設けているのは20.1%だった。コンプライアンスの担当者や部署を置いているのは42.6%。各項目とも資本金が下がるにつれ、実施割合も低下する傾向にあった(「独禁法社内監査、実施は12%=建設業の法令順守調査−公取委」時事通信2007年5月16日)。

東急建設施工物件

フォートンヒルズ(フォートンの国)
ブランズあざみ野ラ・ヴィアーレ
ブランズ西大津レイクフロント
ベルコリーヌ南大沢
メルヴェールリゾート牛窓(瀬戸内市牛窓町牛窓)

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